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引具
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ひきぐ
ふりがな文庫
“
引具
(
ひきぐ
)” の例文
「脱走船員」の私を助手に十余人の「生ける幽霊」を
引具
(
ひきぐ
)
し、今から朝まで順々にその
物凄
(
ものすげ
)
えところを廻ってあるこうというのだ。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
お市の方を得た柴田勝家が、これ見よがしに美人を
引具
(
ひきぐ
)
して、ところもあろうにわが居城の江州長浜の前を素通りして、北の庄へ帰るのだ。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
去
(
さ
)
んぬる
正平
(
しょうへい
)
の昔、
武蔵守
(
むさしのかみ
)
殿(
高師直
(
こうのもろなお
)
)が
雲霞
(
うんか
)
の兵を
引具
(
ひきぐ
)
して将軍(
尊氏
(
たかうじ
)
)御所を打囲まれた折節、兵火の
余烟
(
よえん
)
を
遁
(
のが
)
れんものとその近辺の
卿相雲客
(
けいしょううんかく
)
、或いは六条の長講堂
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
斯うして待っていたのだから、今回尾崎さんが惣領初め技師連中を
引具
(
ひきぐ
)
して山中村へ本検分に来たのは予定の行動だった。卓造君のお父さんはその接待役として召し出された。
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
醤にうまくいいくるめられている王水険大先生は、最高の
善事
(
ぜんじ
)
をするつもりで、醤を
引具
(
ひきぐ
)
し、窓下に
高梯子
(
たかばしご
)
をかけ、それをよじ登って、窓からそっと金博士の様子を
窺
(
うかが
)
ったのである。
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
鮑信は、嫌になって、自分の手勢だけを
引具
(
ひきぐ
)
し、泰山の閑地へ逃避してしまった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私と園さんは異様な
風体
(
ふうてい
)
のまま食堂に
闖入
(
ちんにゅう
)
し、パンとハムエグスか何かでそこそこに朝飯を済ませサンドウィッチを作らせた上、人夫を
引具
(
ひきぐ
)
し、勇ましくも(!)雲仙の第一峰に向け出発した。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
革衣
(
かはごろも
)
纏
(
まと
)
へる兒等を
引具
(
ひきぐ
)
して
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
つまりこの一行は、当日の相撲を見るべく、身内の者と、芸妓連を
引具
(
ひきぐ
)
して、ここへ乗込んで来たものであることがわかる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と一つ、
亜米利加
(
アメリカ
)
人の観光客みたいに曖昧に感心しておいて、彼女を促し、ショファを
引具
(
ひきぐ
)
してちょっとそのウェリントン大公の参謀本部を訪問する。
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
去
(
さ
)
んぬる
正平
(
しょうへい
)
の昔、
武蔵守
(
むさしのかみ
)
殿(
高師直
(
こうのもろなお
)
)が
雲霞
(
うんか
)
の兵を
引具
(
ひきぐ
)
して将軍(
尊氏
(
たかうじ
)
)御所を打囲まれた折節、兵火の
余烟
(
よえん
)
を
遁
(
のが
)
れんものとその近辺の
卿相雲客
(
けいしょううんかく
)
、或ひは六条の長講堂
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
革衣
(
かはごろも
)
纏
(
まと
)
へる
児等
(
こら
)
を
引具
(
ひきぐ
)
して
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
翌朝、道庵は、いつぞや伊勢参りに連れて行った仙公というのを一人だけ
引具
(
ひきぐ
)
して、山下に待ち合わせていますと、まもなく不動院の一行がやって来ました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それに
介添
(
かいぞえ
)
を一人と弓持一人と的持を三人ずつ
引具
(
ひきぐ
)
して、
徐々
(
しずしず
)
と南の隅へ歩み出でたのであります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
手兵を
引具
(
ひきぐ
)
して、
京地
(
けいち
)
を目指して乗込んで来るという事実と、風聞が、東山道沿道の藩民の心胆を寒からしめたことは昨日のようだけれども、もうその事が結着してから
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
せっかく、泊りを重ねて外出の必要があるならば、駒井は、むしろ田山に後を託して置いて、多少の世話は焼けようとも、マドロス氏あたりを
引具
(
ひきぐ
)
して来るのが賢明ではないか。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかしながら、駒井甚三郎は、どのみち
退引
(
のっぴき
)
ならぬ相手につかまったものと観念をしたのでしょう、お角の案内に随って、遠慮をするお松を
引具
(
ひきぐ
)
して、ついにこの小屋へ足を向け
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
両岸の村民が
水口
(
みなくち
)
を争って、あわや血の雨を降らそうという時に、水門の上へ悠々と身を現わして、仲裁を試みた上に、双方の代表を
引具
(
ひきぐ
)
して引上げた編笠の浪人が一人あったのだ。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
心ききたる若者を一人わけて、道庵のために附け、そうして道庵を北国街道に送り込み、お角さんは、そのまま残る手勢を
引具
(
ひきぐ
)
して、
銀杏
(
ぎんなん
)
加藤一行のあとを追って近江路を上りました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この時、遥かにみとおしのきく河原の両岸を見ると、こしかたの方からは、さいぜん飯屋へ出張したらしい岡っ引が先に立って、村役人らしいのを数名
引具
(
ひきぐ
)
して、こちらへ取って返して来る様子。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出