川魚かわうお)” の例文
顎十郎はなにを考えたか、ツイと金兵衛の門口からはなれると一ノ橋をわたって両国のほうへ引っかえし、相生町あいおいちょうの『はなや』という川魚かわうお料理。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
よくこの柳には川魚かわうおついばみに来る白鷺しらさぎの群れを見かけるのであるが、きょうはその白鷺が一羽も影を見せていないかわりに、前髪に結った一人の若衆が
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このとき、彼女かのじょあたまに、弥吉やきちじいさんのかおかびました。じいさんは、川魚かわうおをとって生活せいかつしたのであります。どんなくらあめばんかけてゆきました。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
元日の御馳走 チベットには川魚かわうおもあるのです。けれど魚を殺すのは罪が深いと言って普通の人は余り魚を喰わない。喰うはヤク、羊、山羊の類を主として居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
お魚のグレーと申してたいとかすずきとかさばとかぼらとかかれいとか比良目ひらめとか川魚かわうおならばこいとかますとかやまめとかさけとかいうようなもので肉に膠分にかわぶんの多い種類を択びまして海魚うみうおならば背から開いて骨を抜いて塩胡椒を
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あるのこと、そのひとは、川魚かわうおべたいから、ってきてくれと、下男げなんにいいつけました。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もしもし、いつかのうおたちはどうしましたか。」と、つばめは、川魚かわうおに、ききました。
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つばめはそうおもうと、すぐまちみせへやってきました。すると、いつか熱帯魚ねったいぎょのはいっていたガラスのはちには、ふな、はや、たなごなどの、うす墨色ずみいろをした、川魚かわうおが、はいっていました。
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、川魚かわうおまでが、方々ほうぼうから、汽車きしゃおくられてくるのかしらん。」
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)