岩層がんそう)” の例文
のどがかわいているとみえて、蛾次郎はそこで一息ひといきつくと、岩層がんそうのあいだから滴々てきてきと落ちている清水しみずへ顔をさかさまにして、口をあいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海岸かいがん沿ふてこと七八ちやう岩層がんそう小高こだかをかがある、そのをかゆると、今迄いまゝでえたうみ景色けしきまつたえずなつて、なみおと次第しだい/\にとうく/\。
草津大尉の声のする方に、道後どうご少尉が、懐中電灯を照しつけてみると、なるほど、今までの赭茶あかちゃけた泥土層でいどそうは無くなって、濃い水色をした、硬そうな岩層がんそうが、冷え冷えと、前途ぜんとさえぎっていた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と思うとまた、たき水沫すいまつがたちこめている岩層がんそうふちにそって、水面を注意ちゅういしながらかける宮内くないの小さいかげが見いだされた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岩層がんそうがすっかり出てしまって、あたりにはその破片が散らばっていた。
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
急峻きゅうしゅんで、大樹たいじゅ岩層がんそうが、天工てんこうをきわめているから、岳中がくちゅう自然しぜん瀑布ばくふ渓流けいりゅうがおおい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)