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山川
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やまがは
美しい
瀬を
立てて、
玉のやうな
礫をおもしに、
獸の
皮の
白く
晒されたのが
浸してある
山川に
沿うて
行くと、
山の
奧にまた
山があつた。
あしひきの
山の
黄葉今夜もか
浮びゆくらむ
山川の
瀬に 〔巻八・一五八七〕 大伴書持
峠を
下ると『
多田御社道』の
石標が
麥畑の
畦に
立つて、
其處を
曲れば、
路はまた
山川の
美しい
水に
石崖の
裾を
洗はれてゐた。
川に
附いて
路はまた
曲つた。
われひとりうらぶれ来れば
山川の水の
激ちも心にぞ沁む
小さな
土橋が
一つ、
小川が
山川へ
注ぐところに
架つてゐた。
山川には
橋がなくて、
香魚の
棲みさうな
水が、
京の
鴨川のやうに、あれと
同じくらゐの
幅で、
淺くちよろ/\と
流れてゐた。