小降こぶり)” の例文
大降おほぶり小降こぶり幾度いくどあめれ、おまけに地震ぢしんにあつた、裾短すそみじか白絣しろがすりあかくなるまで、苦労くらうによれ/\のかたちで、くろ信玄袋しんげんぶくろ緊乎しつかりと、巌丈がんぢやう蝙蝠傘かうもりがさ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なし幸ひ雨も小降こぶりになりぬ翌日は天氣になりなんとこゝろせかるゝ十兵衞は死出しで旅路たびぢと知ぬ身の兄長庵に禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雨は小降こぶりになつたが、代助は固より三千代をひとり返す気はなかつた。わざとくるまを雇はずに、自分で送つてた。平岡の家迄いて行く所を、江戸川の橋のうへわかれた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
新「ヘイ大きに雨が小降こぶりになりました様子で、是でわたくしはおいとまを致そうと存じます」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
出てもどる頃漸々東がしらみ出し雨も小降こぶりに成たる故浮羅々々ぶら/\戻るむかうよりしりつぺた迄引端打ひつはしをり古手拭ふるてぬぐひ頬冠ほゝかぶかさをも指ずにぬれしよぼたれ小脇差こわきざしをば後ろへ廻し薄氣味惡うすきみわる坊主奴ばうずめが來るのを見れば長庵故かさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
庄「だがい塩梅に少し小降こぶりになった」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)