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こぶり
大降小降幾度か
雨に
濡れ、おまけに
地震にあつた、
裾短な
白絣の
赤くなるまで、
苦労によれ/\の
形で、
黒の
信玄袋を
緊乎と、
柄の
巌丈な
蝙蝠傘。
なし幸ひ雨も
小降になりぬ翌日は天氣になりなんと
心急るゝ十兵衞は
死出の
旅路と知ぬ身の兄長庵に禮を
雨は
小降になつたが、代助は固より三千代を
独り返す気はなかつた。わざと
車を雇はずに、自分で送つて
出た。平岡の家迄
附いて行く所を、江戸川の橋の
上で
別れた。
新「ヘイ大きに雨が
小降になりました様子で、是で
私はお
暇を致そうと存じます」
出て
戻る頃漸々東が
白み出し雨も
小降に成たる故
浮羅々々戻る
向より
尻つぺた迄
引端打古手拭で
頬冠り
傘をも指ずに
濡しよぼ
垂小脇差をば後ろへ廻し
薄氣味惡き
坊主奴が來るのを見れば長庵故
傘を
庄「だが
好い塩梅に少し
小降になった」