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こばくち
ふりがな文庫
“
小博奕
(
こばくち
)” の例文
振り返ると、三十前後の、苦味走つた男、
小博奕
(
こばくち
)
から小格子あさり、渡り中間の
惡戯
(
わるさ
)
は、ピンからキリまで卒業したらしい男です。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
送りしが或日
番町邊
(
ばんちやうへん
)
の
屋敷
(
やしき
)
の
中間部屋
(
ちうげんべや
)
に
小博奕
(
こばくち
)
ありて
不※
(
ふと
)
立入しに思ひの外
利運
(
りうん
)
を得たり
素
(
もと
)
より
好
(
この
)
む道なれば其後は彼方此方と
博奕場
(
ばくちば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
外国人のハリソンにもお膳を据える。いやもう乱脈でお話になりません。国蔵は
小博奕
(
こばくち
)
なぞを打つ奴で、甚八もおなじ仲間です。
半七捕物帳:59 蟹のお角
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
丹三が、折助部屋に集まっている
小博奕
(
こばくち
)
打ちをまとめて跡を追う。が、丹三は陰に隠れていて、他の連中だけが女を取り巻く。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
小博奕
(
こばくち
)
で送られて来たという金太には、さぞたまらない誘惑だったろう、その音を聞くたびに、躯ぜんたいでいまにものめり込みそうにみえた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
それなら打明けてお話申しますが此の間松村で
一寸
(
ちょっと
)
小博奕
(
こばくち
)
へ手を出して居るとだしぬけに御用と云うのでバラ/\逃げて入江の用水の中へ這入って
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
戴くには、間があるようでございます。そりゃアあなた稼業がら、
小博奕
(
こばくち
)
ぐらいは打ちますが、それとてほんの時々で……オイ後棒、おめえもあやまれ
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
楊柳
(
やなぎ
)
の蔭には、
小博奕
(
こばくち
)
に群れているのやら、寝ている者、
欠伸
(
あくび
)
している者、さまざまだった。漁船の舟かずは百隻をこえようか、それがみんな岸に繋いである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
由さんは若いころ
小博奕
(
こばくち
)
に凝って、横須賀のなんとか親分の身内になり、銀
被
(
ぎ
)
せの木刀を腰に差し、テラ箱を担いで田浦衣笠の辺を走りまわったこともあったそうで
春の山
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
世間の
噂
(
うわさ
)
が私の耳にも入ります。人もあろうに、
小博奕
(
こばくち
)
を
渡世
(
とせい
)
にしている、安やくざと
懇
(
ねんご
)
ろになっては、娘の一生も台なしでございましょう。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まさか、
胡麻
(
ごま
)
の
蠅
(
はえ
)
じゃあるめえ」と、半七はまた笑った。「
小博奕
(
こばくち
)
でも打つぐらいの奴なら、旅籠屋へきて別に悪いこともしねえだろう。道楽者は却って神妙なものだ」
半七捕物帳:14 山祝いの夜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ムヽ今
帰
(
けえ
)
った、誰だ
清
(
せい
)
さんか、今帰ったが、
松
(
まつ
)
が
賀
(
か
)
で詰らねえ
小博奕
(
こばくち
)
へ手を出して打って居ると、
突然
(
だしぬけ
)
に手が
這入
(
へえ
)
って、一生懸命に逃げたが、仕様がねえから用水の中へ這入って
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五十前後、分別盛りといふ年輩ですが、
小博奕
(
こばくち
)
が好きで身が持てなかつたと言ふだけに、何となく、人へのしかゝつて來るやうな氣の強さうな男です。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
弟の伊八という奴も、兄貴と同じような道楽者で、
小博奕
(
こばくち
)
なども打つといいますから、兄貴の死んだのを幸いに、おふくろと一緒になってどんな芝居でもやりかねません。
真鬼偽鬼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
是は土手下の
甚藏
(
じんぞう
)
と云う
悪漢
(
わるもの
)
、只今
小博奕
(
こばくち
)
をして居る処へ
突然
(
いきなり
)
手が這入り、
其処
(
そこ
)
を
潜
(
くゞ
)
り抜けたが、烈しく
追手
(
おって
)
が掛りますから、用水の中を潜り抜けてボサッカの中へ小さくなって居る処へ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五十前後、分別盛りという年輩ですが、
小博奕
(
こばくち
)
が好きで身が持てなかったと言うだけに、何となく、人へのしかかって来るような気の強そうな男です。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「以前は
小博奕
(
こばくち
)
などを打って、あまり評判のよくない男でございました」と、番頭は説明した。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
人もあらうに、
小博奕
(
こばくち
)
を渡世にしてゐる、安やくざと
懇
(
ねんご
)
ろになつては、娘の一生も代なしでございませう。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
小博奕
(
こばくち
)
ぐらいは打つでしょうが、人間は正直者ですよ」と、兼松は答えた。「そこで、親分。今の話の様子じゃあ、ゆうべ此の辺で人間の死骸を運んだ奴があるらしゅうござんすね」
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三軒長屋が二つ、その一つは北の方にあつて、
按摩
(
あんま
)
の年寄夫婦が一と組と、浪人波多野
虎記
(
とらき
)
と、
小博奕
(
こばくち
)
を
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
実は
小博奕
(
こばくち
)
などを打っている
無頼漢
(
ならずもの
)
であることを半七は知っていた。
半七捕物帳:13 弁天娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小博奕
(
こばくち
)
を打つといふ持て餘し者の六郎が兄の死んだ後、この家へ入り込んで來て、支配人の佐吉や、
甥
(
をひ
)
の金之丞がイヤな顏をする中に、我儘一杯に振舞つて居ることは
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「詳しくにもざつにも、これつきりですよ。村のあぶれ者で、
小博奕
(
こばくち
)
と
強請
(
ゆすり
)
を渡世のやうにしてゐる照吉と伊太郎といふのが、尾久の土手で斬られて、ひどい死樣で——」
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「詳しくにもざつにも、これっきりですよ。村のあぶれ者で、
小博奕
(
こばくち
)
と
強請
(
ゆすり
)
を渡世のようにしている照吉と伊太郎というのが、尾久の土手で斬られて、ひどい死に様で——」
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは
自棄
(
やけ
)
の
小博奕
(
こばくち
)
に夜明しをしたと解って——途中で抜出して、お徳を殺す時間があったかも知れないにしても、一応は疑いの外に置かれ、隣家の屑屋清吉は、一番不利な立場に陥って
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小博奕
(
こばくち
)
と押借の外には
能
(
のう
)
の無い男ですが、恰好がちよいと意氣なのと、顏がノツペリして居るのを資本に、神田から本郷へかけて、浮氣な娘といふ娘を
漁
(
あさ
)
り廻り、宇治川の先陣爭ひに
譬
(
たと
)
へて
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此野郎はつばめに夢中で、
小博奕
(
こばくち
)
の味一つ知らないといふ變り者ですよ。何をするかと思ふと、火鉢の灰をならして、
火箸
(
ひばし
)
で、つばめ、つばめ、つばめと假名文字の千文字を書いて、ホーツと溜息を
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
博
常用漢字
小4
部首:⼗
12画
奕
漢検1級
部首:⼤
9画
“小博奕”で始まる語句
小博奕打