寄宿きしゆく)” の例文
晝間ひるまあつたかいが、よるになるときふさむくなるね。寄宿きしゆくぢやもう蒸汽スチームとほしてゐるかい」といた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
妙長寺めうちやうじ寄宿きしゆくしてから三十にちばかりになるが、さき時分じぶんとははまいちじるしくちゞまつてる。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山田やまだます/\親密しんみつになるにけて、遠方ゑんぱうから通ふのは不都合ふつがふであるから、ぼくうち寄宿きしゆくしては奈何どうです、と山田やまだつてくれるから、ねがうても無きさいわひと、すぐきふをつて、郷関きやうくわんを出た
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
小六ころく何不足なにふそくなく叔父をぢいへ寐起ねおきしてゐた。試驗しけんけて高等學校かうとうがくかう這入はいれゝば、寄宿きしゆく入舍にふしやしなければならないとふので、その相談さうだんまですで叔父をぢ打合うちあはせがしてあるやうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)