媒介ばいかい)” の例文
「まずこれで安心した……悪人の媒介ばいかいも根絶やしになった……そうして薬の利き目も解った……それじゃあご免よ。私は帰る」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いや、今にわかります。やっぱり、今度の私の結婚に就てです。が、媒介ばいかい手数料コンミッションもらいに来るのでないことは、たしかですよ。はゝゝゝゝ。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いていわゆる一種の神典に及ぶまで、彼らが探討講索の結果は、復古的革命を激成するの媒介ばいかいたらざるはなかりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そのおかげで、何かの機会に蠅以外の媒介ばいかいによって、多量のばいきんを取りんだときでも、それにたえられるだけの資格しかくがそなわっているのかもしれない。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
相手の居所いどころがわからないから、ロス氏は新聞広告を媒介ばいかいに意思を伝えるより方法がなかったのである。
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
その媒介ばいかいによって、感覚物以外の或るものに対して起す情操と混同してはならんのであります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こんにちでは値段を定むるに造る者と用うる者は顔など会わすことは少ない。両者の間に仲買なかがいあり卸売おろしうりあり小売こうりあり数人の媒介ばいかいて、我々の最も簡単なる需用じゅようも供給せられる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これまたその功名のあたいを損ずるところのものにして、要するに二氏の富貴こそその身の功名をむなしうするの媒介ばいかいなれば、今なおおそからず、二氏共に断然だんぜん世をのがれて維新いしん以来の非をあらた
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
政治的に統合し、媒介ばいかいし、組織化する手段や態様にも、また種々雑多の形態がある。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
び起す媒介ばいかいとしたのであるから対等の関係になることをけて主従の礼儀を守ったのみならず前よりも一層おのれを卑下ひげし奉公の誠をつくして少しでも早く春琴が不幸を忘れ去り昔の自信を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
戸倉村よりは他の物品を此処にち来り以て之を交易こうえきし、其間あへて人の之を媒介ばいかいするものなく、只正直と約束やくそくとをまもりて貿易ばうえきするのみと、此に於て前日来より「あるこーる」にかつしたる一行は
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
したったのであろうが佐助は春鶯囀を弾きつつどこへ魂をせたであろう触覚の世界を媒介ばいかいとして観念の春琴を視詰みつめることに慣らされた彼は聴覚によってその欠陥けっかんたしたのであろうか。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
媒介ばいかい作用としての政治について上に述べたことは、政治を政策の角度から見る場合にも、根本的にいえることである。政治を自分が主体となって行うという立場に立つと、そこに政策が成り立つ。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
3 政治の媒介ばいかい作用
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)