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奴原
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やつばら
ふりがな文庫
“
奴原
(
やつばら
)” の例文
帝王何かあらんや、どころではなく、生来帝王の天質がなく、帝王になったところで、何一つ立派なことの出来る
奴原
(
やつばら
)
ではないのである。
日本文化私観
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「若僧やるな! 鳥刺しといい貴様といい、愈々
胡散
(
うさん
)
な
奴原
(
やつばら
)
じゃ。どこのどいつかッ。名を名乗らッしゃい? どこから迷って来たのじゃ!」
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「拙者にも縁のある
奴原
(
やつばら
)
だ。と云うより拙者の先生に、深い縁故のある奴だ、退治れば先生のお為にもなる。——
其方
(
そち
)
は逃げろ! 一人で十分!」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ブラブラ遊んで暮らすのを誇りとしている一部上流社会の
奴原
(
やつばら
)
を初めとし、ろくろく食う物も食えぬくせに、汗を流して努力する事を好まぬ下等人士に至るまで
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
惟
(
おも
)
うに老猴よく人の不浄を嗅ぎ分くる奴を撰び教えて帯刀させ、神前へ不浄のまま出る
奴原
(
やつばら
)
を追い恥かしめた旧慣が本邦諸処にあったから、猴をイソノタチハキというたので
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
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ますます
栄耀
(
えいよう
)
の身となったゆえ、もはや、旧悪が暴露するうれいもないと考えているのであろう、一味の
奴原
(
やつばら
)
が、われとわれから、そなたの面前に、みにくい顔をさらして見せたも、こりゃ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
如何だッて、この世の中に攘夷なんて丸で気狂いの沙汰じゃないか。「気狂いとは何だ、
怪
(
け
)
しからん事を云うな。長州ではチャント
国是
(
こくぜ
)
が極まってある。あんな
奴原
(
やつばら
)
に
我儘
(
わがまま
)
をされて
堪
(
たま
)
るものか。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
かかる訳で君等の荷物も、無論
吾儕
(
われわれ
)
のもそのまま置捨てることにした。ああ巴里も、わが巴里も、
遂
(
つい
)
に独逸の
奴原
(
やつばら
)
に
蹂躙
(
じゅうりん
)
せらるるのか。小シモンヌが涙ぐんだのを見て巴里を離れるのは
慚愧
(
ざんき
)
を感ずる。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「いまいましいメリケン空軍の
奴原
(
やつばら
)
だ」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「卑怯な
奴原
(
やつばら
)
、束になって来い」
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに
諂
(
へつら
)
う末社の
奴原
(
やつばら
)
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かういふことに敏感で、特に根に持つ秀吉だから、関白を怖れぬ不届きな
奴原
(
やつばら
)
、と腹をたてた。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「あいや客人、日置正次殿、我等必死のお願いでござる、貴殿の
弓勢
(
ゆんぜい
)
お示し下され! 寄せて参ったは、不頼の
輩
(
ともがら
)
、あばら組と申す
奴原
(
やつばら
)
、討ち取って仔細無き奴原でござる!」
弓道中祖伝
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
翌朝馳走を備えた所へ果して八道人来り、飲食しおわるを俟ってまず上座の頭を打ち隅へ駆り入れると、たちまち変じて金銭一
盎
(
おう
)
と成った。跡の
奴原
(
やつばら
)
も次第に駆り入れて金銭八盎が出来た。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「藤作のやり方が悪かったにしても、場銭をさらいに来やがったと、こう云われては腹に据えかねる……そうでなくてさえ怨みの重なる、高萩一家の
奴原
(
やつばら
)
だ、この際一気に片づけてしまえ!」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
読者をぞっとさせる底の珍譚山のごとく、上は王侯より下
乞丐
(
こつがい
)
に至るまで聞いて悦腹せざるなく、ロンドンに九年
在
(
い
)
た中、近年大臣など名乗って鹿爪らしく構え居る
奴原
(
やつばら
)
に招かれ説教してやり
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「
聚楽
(
じゅらく
)
の
奴原
(
やつばら
)
にござりますよ」
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
奴
常用漢字
中学
部首:⼥
5画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“奴”で始まる語句
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奴隷
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