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女夫
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めおと
ふりがな文庫
“
女夫
(
めおと
)” の例文
たとえば
女夫
(
めおと
)
岩という二つの岩の
屹立
(
きつりつ
)
している所があると、それに接続している数町歩の田畑または村里の字をも女夫岩という。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
女夫
(
めおと
)
の約束代わりに預けたたいせつな片雛が、こんなまがいものとすり替えられているは、とりもなおさず生きた夫をすり替えたも同然じゃ。
右門捕物帖:22 因縁の女夫雛
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
湯滝は白骨にもありますが、あれよりズット大きい——といって、渓間を導いて、兵馬を二つの滝が
女夫
(
めおと
)
のように並んでいるところへ連れて来ました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おまけに、ぜんざいを
註文
(
ちゅうもん
)
すると、
女夫
(
めおと
)
の意味で一人に二杯ずつ持って来た。
碁盤
(
ごばん
)
の目の敷畳に腰をかけ、スウスウと高い音を立てて
啜
(
すす
)
りながら柳吉は言った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「げに歌人、詩人といふは
可笑
(
おか
)
しきものかな。蝶二つ飛ぶを見れば、必ず
女夫
(
めおと
)
なりと思へり。
塒
(
ねぐら
)
に
還
(
かえ
)
る
夕烏
(
ゆうがらす
)
、
嘗
(
かつ
)
て曲亭馬琴に告げて
曰
(
いわ
)
く、おれは
用達
(
ようたし
)
に行くのだ」
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
▼ もっと見る
「女房のふところには鬼が
栖
(
す
)
むか
蛇
(
じゃ
)
が栖むか」と云う文句を聞くと、それがいかにも性慾的にかけ離れてしまった
女夫
(
めおと
)
の秘事を
婉曲
(
えんきょく
)
ながら適切に現わしているのに気づいて
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「心も晴るる夜半の月、
田面
(
たのも
)
にうつる人影にぱつと立つのは、アレ
雁金
(
かりがね
)
の
女夫
(
めおと
)
づれ。」これは
畢竟
(
ひっきょう
)
枯荻落雁の画趣を取って俗謡に移し入れたもので、
寺門静軒
(
てらかどせいけん
)
が『江頭百詠』の中に
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
小坂部どのは正直におのれの恋を打ち明けて、采女と
女夫
(
めおと
)
にしてくれとお身に嘆いた。お身もそれを聞き届けた。その口の乾かぬうちに、姫を捉えようとする、采女を打ち果たそうとする。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女夫
(
めおと
)
して住持酔はしぬ花に鐘 几董
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
女夫
(
めおと
)
約束固めても
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
諸国に
女夫
(
めおと
)
石があれば女夫木があり、子持石があれば子持木があるごとく、石の代りに天然の樹木を用いることはきわめて普通の例である。
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
安珍清姫恨みの恋路、坂田の金時
女夫
(
めおと
)
の
相撲
(
すもう
)
、牛若丸はてんぐのあしらい、踊れといえば、そら、あのとおり、——牛若丸はてんぐの踊りとござい
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「おまえも藻にはきつい
執心
(
しゅうしん
)
じゃが、末は
女夫
(
めおと
)
になる約束でもしたのかの」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
安芸
(
あき
)
の宮島の
女夫
(
めおと
)
烏は、一年に一度しか祭を
享
(
う
)
けぬことになっているが、時々は七浦回りの信心者の船が供えものをする。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
女夫
(
めおと
)
の約束すれば一生口をつぐまぬものでもないと、父をおどし、わたくしをお責めなさりましたのが、運のつき、父の悪業ひたかくしに隠そうと
右門捕物帖:31 毒を抱く女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
都の
公家衆
(
くげしゅう
)
に奉公したもの、縁あってこの夜叉王と
女夫
(
めおと
)
になり、あずまへ流れ下ったが、育ちが育ちとて気位高く、職人風情に連れ添うて、一生むなしく朽ち果つるを悔みながらに世を終った。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは奥州南部
兜明神
(
かぶとみょうじん
)
ガ
岳
(
だけ
)
の山奥でいけどりましたる
女夫
(
めおと
)
ぐまでござい。右が雄ぐま、左が雌ぐま。珍しいことには、人のことばをよく聞き分けまする。
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
二本
(
ふたもと
)
の桂の立木ありて、その根よりおのずから清水を噴き、末は修禅寺にながれて入れば、川の名を桂とよび、またその樹を
女夫
(
めおと
)
の桂と昔よりよび伝えておりますると、お答え申し上げましたれば
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
約束誓言を堅く守らせる意味から
男雛
(
おびな
)
の親王さまを分け与え、古島家そのもののほうにはこれまた行く末先の
女夫
(
めおと
)
を誓い、うれしい契りの日のよきお
輿入
(
こしい
)
れを一日も早かれと待ち願う意味から
右門捕物帖:22 因縁の女夫雛
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
玉琴
女夫
(
めおと
)
が祝言のさかずきは……命をちぢむる毒酒なりしか。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わらわが許して
女夫
(
めおと
)
にしましょうぞ。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女夫
(
めおと
)
ふたりの札参り。
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「藻と千枝まは
女夫
(
めおと
)
じゃ」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“女夫”で始まる語句
女夫雛
女夫中
女夫仲
女夫松
女夫枕
女夫滝
女夫瀧
女夫猿
女夫餅
女夫鴉