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天祐
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てんゆう
ふりがな文庫
“
天祐
(
てんゆう
)” の例文
半日山のなかを
馳
(
か
)
けあるいて、ようやく下りて見たら元の所だなんて、全体何てえ
間抜
(
まぬけ
)
だろう。これからもう君の
天祐
(
てんゆう
)
は信用しないよ
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「東儀
氏
(
うじ
)
、ごらんなさい、失策どころか、これこそ二人の苦節を哀れんだ、神の賜うた
天祐
(
てんゆう
)
です。——この紙入れは
塙郁次郎
(
はなわいくじろう
)
の所持品だ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「うらやましからう。だが、これは
天祐
(
てんゆう
)
といふもので、いくら
自分
(
じぶん
)
が
君達
(
きみたち
)
をいれてあげやうとしたところで
駄目
(
だめ
)
なんだ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「
天祐
(
てんゆう
)
を祈りますよ、椋島さん」大臣の幅の広いガッシリした
掌
(
て
)
がギュッと、椋島技師の手を握りかえした。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
道子は降り続く雨を眺めて——この天気、
天祐
(
てんゆう
)
っていうもんかしら…………少くとも私の悲観を慰めて呉れたんだから…………そう思うと何だか
可笑
(
おか
)
しくなって独りくすくす笑った。
快走
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
かかる鬼門破りの国が誠にめでたく、ますます
天祐
(
てんゆう
)
を得て隆盛に向かうのは、鬼門を破っても災害がないということを証明しているではないか。鬼門の妄説は、大抵これにて分かるであろう。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
と托しておいた走り書の一通が、いまとなってみれば、
天祐
(
てんゆう
)
だった。外部との唯一の連絡となり、光明ともなっている。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「せっかくは君の命令に
因
(
よ
)
って、せっかく来たに相違ないんだがね。この豆じゃ、どうにも、こうにも、——
天祐
(
てんゆう
)
を
空
(
むな
)
しくするよりほかに道はあるまいよ」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
怪我をしているものはあるが、
生命
(
いのち
)
をおとしたものが一人もないのはまったく
天祐
(
てんゆう
)
であった。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
混雑まぎれに、家来でも落したのか、牢の前に、
鞘
(
さや
)
を抜けた短刀が落ちていた。
天祐
(
てんゆう
)
か、それがやっと手の届くところにある。萩乃はその晩、仮牢を破った。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ自分が主人に安井と同じ大学にいた事を、まだ
洩
(
も
)
らさなかったのを
天祐
(
てんゆう
)
のようにありがたく思った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女は、眼のまえを
隔
(
へだ
)
てている闇の古池を見、
彼方
(
かなた
)
の
堅固
(
けんご
)
なる建物を眼に見ながらも、この機会と
天祐
(
てんゆう
)
にたいして、だめだと思う気はすこしも出て来なかった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「危きに
臨
(
のぞ
)
めば平常なし
能
(
あた
)
わざるところのものを
為
(
な
)
し能う。
之
(
これ
)
を
天祐
(
てんゆう
)
という」
幸
(
さいわい
)
に天祐を
享
(
う
)
けたる吾輩が一生懸命餅の魔と戦っていると、何だか足音がして奥より人が来るような
気合
(
けわい
)
である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
火災はむしろ
天祐
(
てんゆう
)
と先にいったが、食糧課員の調査表によると、出火前は、貯蔵精米が五百五十
余
(
よ
)
石
(
こく
)
、玄米百十六石一
斗
(
と
)
とあって、一日の消費額二十九石として、今後
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そら、天気もだいぶよくなって来たよ。やっぱり
天祐
(
てんゆう
)
があるんだよ」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかるにあなたは北京府の
富家
(
ふか
)
に生れ、かさねがさねの
天祐
(
てんゆう
)
を
蒙
(
こうむ
)
っている。天運おのずから衆に超えているものです。——第三には、私は浅学、あなたは
学
(
がく
)
古今に通じておられる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こりゃ
天祐
(
てんゆう
)
だ! そちにその
間道
(
かんどう
)
がわかるとならば、ぜひとも一つたずねてくれ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは、まったく、
御仏
(
みほとけ
)
のお計いじゃ、これを
天祐
(
てんゆう
)
といわずして何ぞや。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ただ、
天祐
(
てんゆう
)
を
祈
(
いの
)
っているのほかございませぬ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
天祐
(
てんゆう
)
ですなあ。お取換しましょう、私のと」
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“天祐”の意味
《名詞》
天佑(てんゆう)
人知を超えたものが助けをなすこと又はその助け。そのように、思いがけず上手くいくこと。
(出典:Wiktionary)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
祐
漢検準1級
部首:⽰
9画
“天祐”で始まる語句
天祐派
天祐等
天祐丙子
天祐和尚
天祐神助