塔頭たつちゆう)” の例文
それから逆戻ぎやくもどりをして塔頭たつちゆう一々いち/\調しらべにかゝると、一窓庵いつさうあん山門さんもん這入はいるやいなやすぐ右手みぎてはうたか石段いしだんうへにあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むかし天龍寺塔頭たつちゆうのある寺にあつた書院の杉戸は、探幽の筆として聞えてゐたが、戸には李白一人がいてあつて、滝らしいものが一向に書いてなかつた。
このあひだまで侍者じしやをしてゐましたが、此頃このごろでは塔頭たつちゆうにあるふる庵室あんしつれて、其所そこんでゐるとかきました。うですか、まあいたらたづねて御覽ごらんなさい。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いてれるとき、わざ/\注意ちゆういがあつたので、宗助そうすけれいつて手紙てがみ受取うけとりながら、侍者じしやだの塔頭たつちゆうだのといふ自分じぶんにはまつたみゝあたらしい言葉ことば説明せつめいいてかへつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)