かと)” の例文
どろくさくてほねかとうございましたけれど、容易よういることができましたので、荒波あらなみうえで、仕事しごとするようにほねをおらなくてすんだのであります。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
こゝなうちではハアかとうごぜえやすから、どんな馴染のお客でも泊めましねえから三味線さみせんや芸はいりやしねえよ、わしどもはかてうちでなくっちゃア勤まりましねえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
畳をかとうしほりを深こうしてにらみ合ってるように考えられますが、その実敵対させる事のできるのは名前だけで、内容は双方共に往ったり来たり大分入り乱れております。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「栄ちゃん、何もそないかとならんかてええし、姉ちゃんちょっとも気イにかけてはれへんさかい——」いうて、光子さんは一所懸命しなさるのんですけど、私は私で
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
なに御道おみちめとあれば、わたくしぞんじてかぎりは逐一ちくいち申上もうしあげてしまいましょう。はなしすこかとうございまして、なにやら青表紙臭あおびょうしくさくなるかもぞんじませぬが、それは何卒なにとぞ大目おおめ見逃みのががしていただきます。