国柄くにがら)” の例文
旧字:國柄
然し今の日本は、かみにもひとにも信仰のない国柄くにがらであるといふ事を発見した。さうして、かれは之をいつに日本の経済事情に帰着せしめた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こういう国柄くにがらは沿海のいわゆる百越ひゃくえつ地帯などをさがしまわったら、まれにも類似の例を見出し得られるものであろうかどうか。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「やあ、」とは言つたが、無礼討御免ぶれいうちごめんのお国柄くにがら、それに何、たかが油売の首なんぞ、ものの数ともしないのであつた。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
日本にっぽんもうくに古来こらい尚武しょうぶ気性きしょうんだお国柄くにがらであるめ、武芸ぶげい偵察ていさつ戦争いくさ駈引等かけひきとうにすぐれた、つまり男性的だんせいてき天狗てんぐさんはほとんど全部ぜんぶこのくにあつまってしま
それとはちがって、ねこはもと天竺てんじくとら子孫しそんでございますが、日本にほんは、小さなやさしい国柄くにがらですから、このくにみつくといっしょに、このとおり小さなやさしいけものになったのでございます。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
はるかなりその国柄くにがら
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ヒーローを首肯うけがわない世においては、自他の懸隔けんかく差等を無視する平等観の盛んな時代においては、崇拝畏敬の念を迷信の残り物のごとく取り扱う国柄くにがらにおいては
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そら、そういう国柄くにがらだから、どうしたって材料の少ない大きな目に対する審美眼が発達しようがない。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっとも日本だって孤立して生存している国柄くにがらではない。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)