嘲弄てうろう)” の例文
しかし誰もに受けない。久米正雄くめまさをの如きはにやにやしながら、「菊池寛きくちくわんが弱気になつてね」などと大いに僕を嘲弄てうろうしたものである。
何故なぜざまろ、可気味いゝきみだ、と高笑たかわらひをして嘲弄てうろうしない。おれてたはてたが、ふね彫像てうざうげたのは、貴様きさま蹴込けこんだも同然どうぜんだい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つむぐことゝることサ、無論むろんはじめから』と海龜うみがめこたへて、『それから算術さんじゆつの四そく、——野心やしん亂心らんしん醜飾しうしよく、それに嘲弄てうろう
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
かけられしとは更に合點がてんの參らぬ事なり此は貴殿の異見いけんをもきか徒骨むだぼねをりしを嘲弄てうろうさるゝと思はれたりと云へば大膳は莞爾につこり打笑うちゑみいなとよ此大膳なにしにいつはりを申べき仔細しさい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くるわ外の事だから、深い御とがめはあるまいと思ふが、何んとしても世上の嘲弄てうろうの口はふさがれない。
黒坊主黒坊主と言つて私を嘲弄てうろうしたことを、それから私が黒坊主と言ひそやされる反動で、奇妙な病気から鼻の両脇りやうわきに六つの小鼻が鈴生すずなりに累結してゐる子供を鼻六ツ々々々と言つて泣かせ
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)