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可憐
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いと
ふりがな文庫
“
可憐
(
いと
)” の例文
我を
可憐
(
いと
)
しと思へる人の
何故
(
なにゆゑ
)
にさは
為
(
せ
)
ざるにやあらん。かくまでに
情篤
(
なさけあつ
)
からぬ恋の世に在るべきか。疑ふべし、疑ふべし、と貫一の胸は又乱れぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
気丈
(
きじょう
)
なので人に涙を見せないのであろうと、尼はなおさら
可憐
(
いと
)
しがったが、政子は自分を
偽
(
いつわ
)
ってはいないのである。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と同時に、僕は三十年前の相好と少しも変らないで、大雪渓の下に彫像のように眠っているであろう所の叔父重武が、無限に
可憐
(
いと
)
しく、いじらしくなって来た!
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
彼奴等
(
あいつら
)
は
可憐
(
いと
)
しいヂュリエットの
手
(
て
)
の
白玉
(
はくぎょく
)
を
掴
(
つか
)
むことも
出來
(
でく
)
る、また
姫
(
ひめ
)
の
脣
(
くちびる
)
から……
其
(
その
)
上下
(
うへした
)
の
脣
(
くちびる
)
が、
淨
(
きよ
)
い
温淑
(
しとやか
)
な
處女氣
(
をぼこぎ
)
で、
互
(
たが
)
ひに
密接
(
ひた
)
と
合
(
あ
)
ふのをさへ
惡
(
わる
)
いことゝ
思
(
おも
)
うてか
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
その丸い猫背の小さな後姿を私は
可憐
(
いと
)
しいものに思いながらも、後から、腹の減ったのも我慢したバカでかい声で、「箱根の山は天下の険」と喚きながら、わざと胸を張って歩いて行った。
箱根の山
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
習ひもお
在
(
は
)
さぬ
徒歩
(
かち
)
の旅に、知らぬ山川を
遙
(
は
)
る/″\
彷徨
(
さまよ
)
ひ給ふさへあるに、玉の
襖
(
ふすま
)
、錦の
床
(
とこ
)
に
隙
(
ひま
)
もる風も厭はれし昔にひき換へて、露にも堪へぬかゝる
破屋
(
あばらや
)
に一夜の宿を願ひ給ふ御
可憐
(
いと
)
しさよ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
困ったようにお浦はいって、また
可憐
(
いと
)
しそうに上様を見やった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
バルタ
其通
(
そのとほ
)
りにござります。あそこに
主人
(
しゅじん
)
が
居
(
を
)
られまする、
御坊
(
ごばう
)
の
可憐
(
いと
)
しう
思
(
おも
)
はせらるゝ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
常々も、忘れてはいない
可憐
(
いと
)
しい妹! 可愛い弟! それを、今は、なんという魔がさしたのか、弦之丞の姿を見た
刹那
(
せつな
)
にフイと忘れて、あそこへ置き去りにしてきてしまった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すぐ発見して、なにか
可憐
(
いと
)
しく思ったのです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
あのやうな
可憐
(
いと
)
しらしい
人間
(
にんげん
)
の
肉體
(
にくたい
)
にすら
夜叉
(
やしゃ
)
の
魂
(
たましひ
)
を
宿
(
やど
)
らせたなら
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
憐
漢検準1級
部首:⼼
16画
“可憐”で始まる語句
可憐想
可憐也
可憐児
可憐相
可憐小女去邀賓
可憐春半不還家