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可哀相
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かはいさう
其が
夥間の
一人だつたのが
分つたから、
聲を
掛けると、
黒人が
突倒して、
船は
其のまゝ
朱色の
海へ、ぶく/\と
出たんだとさ……
可哀相ねえ。
そんだがあん
時にや
嚊は
可哀相なことしたな
世間の
奴等卯平は
嚊に
崇れべえなんちから
心配すんなつて
俺れ
云つたんだな、そんだが
此ら
根性ねえから、
俺ら
心配するもな
大嫌だ、それ
可哀相に
蹠には日があたる。
「お
可哀相に……あの
方は、
昨晩、
釣臺で、
病院へお
入りなすつたさうでございます。」
お
可哀相でございますわね、と
皆さんで
優しく
云つて
下さるのです。