可哀相かはいさう)” の例文
それ夥間なかま一人ひとりだつたのがわかつたから、こゑけると、黒人くろんぼ突倒つきたふして、ふねのまゝ朱色しゆいろうみへ、ぶく/\とたんだとさ……可哀相かはいさうねえ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そんだがあんときにやかゝあ可哀相かはいさうなことしたな世間せけん奴等やつら卯平うへいかゝあとつつかれべえなんちから心配しんぺえすんなつてつたんだな、そんだが根性こんじやうねえから、心配しんぺえするもな大嫌だえきれえだ、それ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
可哀相かはいさうあしのうらには日があたる。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
猫の糞可哀相かはいさうなり
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「お可哀相かはいさうに……あのかたは、昨晩ゆうべ釣臺つりだいで、病院びやうゐんへおはひりなすつたさうでございます。」
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
老人夫婦らうじんふうふ出迎いでむかへて、富藏とみざう仔細しさいくと、お可哀相かはいさうのいひつゞけ。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
可哀相かはいさうでございますわね、とみなさんでやさしくつてくださるのです。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)