可哀想かあいさう)” の例文
いや/\、けつして貴下方あなたがた御辛抱ごしんばうなさるにはおよばん。辛抱しんばうをするのはおうらだ、可哀想かあいさうをんなだ。我慢がまんをしてくれ、おうらうでたしかだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふくろもねえのにおめえいゝ加減かげんにしろよ、可哀想かあいさうぢやねえか、そんなことしておめえいくつだとおもふんだ、さう自分じぶんのやうに出來できるもんぢやねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
母様おつかさんもまたそばからまあ捨児すてごにしては可哀想かあいさうでないかツて、おきなすつたら、ぢいさんにや/\とわらつたさうで
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さうしてこつちのおとつゝあんむねでさつせえ、りいこたはねえから、なあこつちのおとつゝあん、そつちだこつちだやつちやだれよりも子奴等こめら可哀想かあいさうだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
母様おつかさん。だつて、おほきいんだもの、そして三角形さんかくなりかんむりました。さうだけれども、王様わうさまだけれども、あめるからねえ、びしよぬれになつて、可哀想かあいさうだつたよ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
で、はじめのうちうしてもひととりや、けだものとはおもはれないで、やさしくされればうれしかつた、しかられるとこはかつた、いてると可哀想かあいさうだつた、そしていろんなことをおもつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)