半裸体はんらたい)” の例文
ショーウインドーの中で、半裸体はんらたいになった紳士が、いかがわしい動作を通行人に見せているというので、たいへんな人だかりだった。
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その中から伯父さんの半裸体はんらたいの姿があらわれた、伯父さんの顔はまっさおになってくちびるから血がしたたっていた、かれのやせた肩は呼吸の度ごとにはげしく動いた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
かれは、そこで、どんなものをたでしょうか。半裸体はんらたいわかおんなが、にかさをってなわうえわたるのや、はしごのいただき逆立さかだちをするのや、そのいろいろのものをました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
窃盗せっとう嫌疑けんぎけて、身体検査しんたいけんさまでされ、半裸体はんらたい姿すがたちながら、職務しょくむ忠実ちゅうじつすぎる男の自由じゆうにされる——これがはずかしくないだろうか? しかし、これも経験けいけんなのだ。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
半裸体はんらたいの女が幾人となくごろごろ寐転ねころがっている部屋へ、無断で闖入ちんにゅうしても、風紀を紊乱びんらんすることの出来るような体力は既に持合もちあわしていないものと、見做みなされていたと言ったなら
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あるのことです。りっぱな、おじょうさまの馬車ばしゃもんまえまると、おじょうさまは、黒髪くろかみ両方りょうほうのふくよかなかたみだした、半裸体はんらたいわかおんなをつれて、おうちなかへはいられました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)