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午下
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ひるさが
ふりがな文庫
“
午下
(
ひるさが
)” の例文
もう一つの面白い事実は、ふみ子の死んだという日のお
午下
(
ひるさが
)
りに、岡安巳太郎が、ヒョックリとカフェの
扉
(
ドア
)
をおして入ってきたことだ。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
其の湯気の
頼母
(
たのも
)
しいほど、
山気
(
さんき
)
は寒く薄い
膚
(
はだ
)
を
透
(
とお
)
したのであつた。
午下
(
ひるさが
)
りに
麓
(
ふもと
)
から
攀上
(
よじのぼ
)
つた時は、其の癖
汗
(
あせ
)
ばんだくらゐだに……
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その奥庭の
離室
(
はなれ
)
だ。
午下
(
ひるさが
)
りのうららかな陽が、しめきった障子に木のかげをまばらにうつして、そよ風に乗ってくる梅の香。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いずこへともなく
飄然
(
ひょうぜん
)
と姿を消したわが退屈男は、それから丁度十八日目の
午下
(
ひるさが
)
り、霞に乗って来た男のように、ふんわりと
西国
(
さいごく
)
、京の町へ現れました。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
初冬にしてはなまあたたかい
午下
(
ひるさが
)
りのことであつた。左門が門前に
彳
(
たたず
)
んでゐると、踊り子が通りかかつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
午下
(
ひるさが
)
りの暑い盛りなので、そこらには人通りは稀であつた。二人はそこの電柱の下につくばつて話した。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
六波羅がたは、今日の
午下
(
ひるさが
)
りから、叡山方が、両親王の下知のもとに、一手は
雲母坂
(
きららざか
)
から、一手は大津へゆるぎ出たのを知り、すぐさま粟田、蹴上に一陣を押し進めた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
暑い
午下
(
ひるさが
)
りの熱気で、ドキン、ドキンと耳鳴りしている自分を意識しながら歩いている。その
眼路
(
めじ
)
のはるかつきるまで、
咽喉
(
のど
)
のひりつくような白くかわいた道がつづいていた。
白い道
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
しとしとと雨の降る、
午下
(
ひるさが
)
りだった。歌麿はいつものように机にもたれて茫然と、一坪の庭の
紫陽花
(
あじさい
)
に
注
(
そそ
)
ぐ、雨の
脚
(
あし
)
を見詰めていた。と、あわててはいって来たおつねが、来客を知らせて来た。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
とぼとぼあゆむ
午下
(
ひるさが
)
り。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
翌
(
あく
)
る日の
午下
(
ひるさが
)
り。
動かぬ鯨群
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
そこの
築地
(
ついじ
)
を向うにはずれた藪だたみのところに、見るから
風体
(
ふうてい
)
の汚ないいち人の非人が、
午下
(
ひるさが
)
りの陽光を浴びて、うつらうつらとその時迄居眠りをつづけていましたが
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
午下
(
ひるさが
)
りの広い家には、海の底のようなもの
憂
(
う
)
いしずかさが冷たくよどんでいた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼は齒のすつかりすり減つた
日和
(
ひより
)
を
履
(
は
)
いて、終點で電車を下りて、
午下
(
ひるさが
)
りの暑い盛りをだら/\汗を流しながら、Kの下宿の前庭の高い松の樹を見あげるやうにして、砂利を敷いた阪路を
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
“午下”の意味
《名詞》
午後。昼過ぎ。
(出典:Wiktionary)
午
常用漢字
小2
部首:⼗
4画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“午”で始まる語句
午
午後
午飯
午前
午餐
午過
午睡
午頃
午砲
午食