つかれ)” の例文
新字:
恰も好しフランチエスカの君は、臨時のつひえもあるべく又日ごろのつかれをも忘れしめんとて、百「スクヂイ」の爲換かはせを送り給ひぬ。
たゝきけれども今日は奉行所へ一同罷出まかりいでつかれにもよくこみ居て何分起出おきいでぬゆゑ裏口に廻り見るに如何さま久兵衞が逃出したる所らしく戸など明放あけはなしありしかばうちへ入て家内の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
只〻門出かどでの勢ひに引きかへて、戻足もどりあしの打ちしおれたる樣、さすがに遠路のつかれとも思はれず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
したてて送んとしおもへさだめつかれに痩せ昔の腰圍こしまはりにはあるまじときぬたゝんとして躊躇するにも似たりしかしてこれは丁寧ていねい尚ほ足袋に及ぶ爪先までも心の屆きし事といふべし又次の歌は想ふ人を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
ヨイサといふに麓より見上げて胸を衝くばかりの鳥居峠など上らんに右の手の竹杖に岩角を突き斯く唄はゞ其のつかれを忘るゝ事もあるべし我輩越後に赴きしとき米山よねやまを越えて後に新潟にて米山節を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
先年私し江戸へ飛脚ひきやくに赴きし時こう宿じゆくより連歸り其後私し儀は梅と夫婦ふうふに成叔母を養ひ置しと申立んとせしが是迄これまでつかれ息切いききれ強く云兼るに付此後はせん其方より申上げ呉よと言ければ其時おせんは首を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とかうして車に乘れば醉とつかれにウト/\とねぶりかけしがガタリと車は止りて旦那こゝが小野の瀧でござりますと云ふ心得たりとり立しが泥濘ぬかりみちに下駄はたゝずバタリと轉べば後より下りし梅花道人またバタリ泥に手を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)