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勝手許
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かってもと
ふりがな文庫
“
勝手許
(
かってもと
)” の例文
お縫は自らおのが身を待たして、蓋を引いたままじっとして
勝手許
(
かってもと
)
に
閉
(
しま
)
っている一枚の障子を、その情の深い目で
瞶
(
みつ
)
めたのである。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
古い
藁葺
(
わらぶき
)
屋根の家を買い求めて、電燈を引き、
勝手許
(
かってもと
)
も綺麗にして住むようになったら、急に虫が多くなったので驚いた、今まで絶えなかった燈火の油煙
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
保子は
勝手許
(
かってもと
)
の方で何か仕事をしていた。一寸手が離せないからというので、彼は暫く待たされた。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
何ぞ
手許使
(
てもとづかい
)
や
勝手許
(
かってもと
)
を働く者がなければなりませんから、方々へ周旋を頼んで置きますと、渡邊織江の家来
船上忠助
(
ふながみちゅうすけ
)
という者の妹お
菊
(
きく
)
というて、もと
駒込
(
こまごめ
)
片町
(
かたまち
)
に居り
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
木工具の領域を見ますと、京都出来のもので心を
惹
(
ひ
)
くのは「
水屋
(
みずや
)
」と呼ぶ
置戸棚
(
おきとだな
)
で、好んで
勝手許
(
かってもと
)
で用います。形に他にない特色があり、洋式の
模倣品
(
もほうひん
)
よりどんなによいか知れません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
思
(
おも
)
わず
知
(
し
)
らず、
我
(
わ
)
れとわが
袖
(
そで
)
を
濡
(
ぬ
)
らした
不覚
(
ふかく
)
の
涙
(
なみだ
)
に、おせんは「はッ」として
首
(
くび
)
を
上
(
あ
)
げたが、どうやら
勝手許
(
かってもと
)
の
母
(
はは
)
の
耳
(
みみ
)
へは
這入
(
はい
)
らなかったものか、まだ
抜
(
ぬ
)
け
切
(
き
)
らぬ
風邪
(
かぜ
)
の
咳
(
せき
)
が二つ三つ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
真直
(
まっすぐ
)
に往来に通っていた参詣人のための、道は耕されて圃となり、堂は造り代えられて、
勝手許
(
かってもと
)
や便所まで附け加えられて、全くの普通の長屋となってしまい、その跡に入って来たのが
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あれはお
公卿
(
くげ
)
様というものが貧乏なものだから、せめてあの方の
嫁
(
ゆ
)
かれた
家
(
うち
)
だけでも、お
勝手許
(
かってもと
)
の御都合がよいようにと祈る心からであった。それがあんなことになろうとは夢にも思い設けなんだ。
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
老婆は、起きて、ランプを手に持って
勝手許
(
かってもと
)
に行った。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
許
常用漢字
小5
部首:⾔
11画
“勝手”で始まる語句
勝手
勝手口
勝手元
勝手向
勝手次第
勝手元迄
勝手気儘
勝手称
勝手過
勝手三眛