切落きりおと)” の例文
「ただ、ある所で京子さんの右の腕を見たんです。確に見覚みおぼえのある、お嬢さんの手首を見たんです。肘の所から切落きりおとされた腕丈けを」
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ずんと切落きりおとせば掃部はたまらず尻居しりゐどうたふれつゝヤア殘念ざんねんうらめしやだまし討とは卑怯ひけふ未練みれん是重四郎殿何者か我があし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それに、今切落きりおとした娘の黒髪とを形見に残して、喜んで再び庭より飛石伝えに中門ちゅうもんく姿を見ると、最早もはや今は全くこの世を思切おもいきりしものか、不思議な事は、スラリとしたその振袖姿の
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
ゆかうえ切落きりおとしてしまいました。
も云ず拔打ぬきうち提灯ちやうちんバツサリ切落きりおとせば音吉はきやツと一聲立たるまゝ土手どてよりどうまろおち狼藉者らうぜきものよとよばはりながら雲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はなれて十町ばかり野合のあひへ掛る處へ向ふより二人の旅人とほかゝり幸之進が馬のわきを行違ふ時拔手ぬくても見せず右の片足をばつさり切落きりおとしければ幸之進はアツトさま馬より落る處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)