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冥護
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みょうご
千本の中には一本や二本、
日本の土地へも着きそうなものじゃ。ほんとうに
冥護を信ずるならば、たった一本流すが
好い。
まことに、
仏天の
冥護ならんと、その折も、
孔雀明王の
御壇に、われら、いかばかり謝し奉ったことかしれませぬ
神の
冥護を
頭に
戴き愛の
焔を胸に貯え
驀地らに前へ進まれるがよい。梶は老人がとり申そう。
舳櫓の
船子は海上
鎮護の神の
御声に気を
奮い、やにわに
艪をば立直して、
曳々声を
揚げて
盪しければ、船は
難無く
風波を
凌ぎて、今は我物なり、
大権現の
冥護はあるぞ、と
船子はたちまち力を得て
ただ神仏は商人のように、金銭では
冥護を御売りにならぬ。じゃから
祭文を読む。香火を
供える。この
後の山なぞには、姿の
好い松が沢山あったが、皆康頼に
伐られてしもうた。
あれが
噂に
承った
南蛮の
如来でございますか?
倅の命さえ助かりますれば、わたくしはあの
磔仏に一生
仕えるのもかまいません。どうか
冥護を賜るように御祈祷をお捧げ下さいまし。