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うちぢう
ひとへに
寄縋る、
薄暗い、
消えさうに、ちよろ/\またゝく……
燈と
言つては
此一點で、
二階も
下階も
臺所も
内中は
眞暗である。
年少くて
屈竟な
其の
客は、
身震ひして、すつくと
立つて、
内中で
止めるのも
肯かないで、タン、ド、ドン!と
其の、
其處の
蔀を
開けた。——
「
度々で
濟みません。——
御免なさいましよ。」と、やつと
佛壇へ
納めたばかりの
位牌を、
内中で、
此ばかりは
金色に、キラリと
風呂敷に
包む
時
雨宿りに
駈込んだ
知合の
男が
一人と、
内中、
此の
店に
居すくまつた。