其間そのま)” の例文
連れて我がへ立歸りたり其間そのまに夜もあけければ長兵衞は傳馬町なる平右衞門方へいたり右の次第を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こと小形こがたの「フランネル」の水兵服すいへいふくを、裁縫係さいほうがゝり水兵すいへいめいずるやら、いろ/\取計とりはからつてれる、其間そのまに、大佐たいさより命令めいれいのあつた吾等われら居室ゐま準備じゆんび出來できたので、其處そこみちびかれ
鋭い眼でじろりと睨まれて、気の弱いお清は思わず立縮たちすくんだ。其間そのまにお杉は出て行く。お葉も後からいて行った。正午に近い冬の日は明るく晴れて、蒼い空には黒い鳥の一群ひとむれが飛んで渡った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
コバルトと赤と薄黄うすきの三しよくで濃厚な中に沈静なおもむきを出した「菊と薔薇ばら」が最も気に入つた。其間そのまに属した小さな控室に一鵬斎ほうさいの美人絵が薄あかりてらされて二枚かゝつて居るのも好い取合とりあはせである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
たまへ、ぼく其間そのまにこれをなほすから。』
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)