其金そのかね)” の例文
明て見るに其金そのかねなければさて盜賊たうぞくわざに違なし然れ共其金の在所あるところを知る人はなき筈なり夫ともたれ金子きんす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其金そのかね内地ないち金貨きんくわもつ支拂しはらつたのではない、したがつ内地ないち通貨つうくわらぬのであるが、しかしながら金解禁きんかいきんが一ぐわつ十一にち出來できのちには、以前いぜんとはまつたちがつた現象げんしやうるのは
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
彼等はおそらく其金そのかねを分配して、新宿の妓楼ぎろうに足を入れたであらうと鑑定したのである。
赤膏薬 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
三四郎は美禰子から洩れて、よし子につたはつて、それが野々宮さんに知れてゐるんだと判じた。然し其金そのかねめぐめぐつてヷイオリンに変形したものとは兄妹けうだいとも気が付かないから一種妙な感じがした。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さうしたならば銀行ぎんかうかねる、れば金利きんりあがる。あるひとが十三ゑん五十せんかねつてつたとすると、其金そのかねが一ゑん割合わりあいる。さうしたならばそれだけ其人そのひとちから減少げんせうするわけである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)