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ひょうぶ
ふりがな文庫
“
兵部
(
ひょうぶ
)” の例文
藤沢は伊達
兵部
(
ひょうぶ
)
の用人と会ったことがある。
新妻隼人
(
にいづまはやと
)
という者で、ひそかに呼びだされて、浅草はたご町の西福寺で会った。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
比叡の
権僧正
(
ごんのそうじょう
)
である弟を除くと、兄弟親族はほとんどみな
兵部
(
ひょうぶ
)
関係の官位についていたが、泰文だけは例外で、若いころから数理にすぐれ、追々
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
兵部
(
ひょうぶ
)
は、眸のながれたような眼で、明りにつれて、
海月
(
くらげ
)
みたいに、ふわふわとうごく、無数の女の顔を、見まわして
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
師走
(
しわす
)
も十日過ぎのこと、浪士らの所持する武器はすべて加州侯へお預けということになった時、副将田丸稲右衛門や参謀山国
兵部
(
ひょうぶ
)
らは武田耕雲斎を
諫
(
いさ
)
め
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これよりさき、保田の町へ入り込んだ田山白雲は岡本
兵部
(
ひょうぶ
)
の家へおちつき、その夜は兵部の家の一間で、熱心に主人が秘蔵の
仇十洲
(
きゅうじっしゅう
)
の回錦図巻を模写しておりました。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
左衛門
(
さえもん
)
の
乳母
(
めのと
)
といって、源氏からは
大弐
(
だいに
)
の乳母の次にいたわられていた女の、一人娘は
大輔
(
たゆう
)
の
命婦
(
みょうぶ
)
といって御所勤めをしていた。王氏の
兵部
(
ひょうぶ
)
大輔である人が父であった。
源氏物語:06 末摘花
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
一人は踊の中で、君長の視線の的となっていた濃艶な若い大夫の妻であった。一人は松明の明りの下で、兄の
訶和郎
(
かわろ
)
と並んで立っている
兵部
(
ひょうぶ
)
の宿禰の娘、
香取
(
かとり
)
であった。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
天照大神
(
あまてらすおおみかみ
)
の
御
(
おん
)
子孫、神武天皇より九十五代の
帝
(
みかど
)
、後醍醐天皇第一の
皇子
(
みこ
)
、一
品
(
ぽん
)
兵部
(
ひょうぶ
)
卿親王
護良
(
もりなが
)
、逆臣のため亡ぼされ、怨みを
泉下
(
せんか
)
に報ぜんために、只今自害するありさま見置きて
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
比叡の
権僧正
(
ごんのそうじょう
)
である弟を除くと、兄弟親族はみなほとんど
兵部
(
ひょうぶ
)
に関係した職についていたが、泰文だけは異例で、若いころから数理にすぐれて、
追々
(
おいおい
)
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
伊達
兵部
(
ひょうぶ
)
へいって、只野内膳か、うまくいったら新妻隼人をつかまえ、少なくとも百金はめしあげてやろう。これが最後だ、と六郎兵衛は自分に云った。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それを、
兵部
(
ひょうぶ
)
の
独
(
ひと
)
り
語
(
ごと
)
のように、外の男は、そら耳にうけて、じっと、暗い川波を見つめていたが
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、彼らの一人として、娘を
憶
(
おも
)
う
兵部
(
ひょうぶ
)
の
宿禰
(
すくね
)
の計画を洞察し得た者は、誰もなかった。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
妹たちも
馴染
(
なじ
)
んだ
良人
(
おっと
)
を捨てて姫君について行くことになった。あてきと言って、夕顔夫人の使っていた童女は
兵部
(
ひょうぶ
)
の君という女房になっていて、この女たちが付き添って、夜に家を出て船に乗った。
源氏物語:22 玉鬘
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
そうして、彼の唇からは、微笑と言葉が流れた星のように消えて行った。彼のこの憂鬱に最も愁傷した者は、彼を愛する
叔父
(
おじ
)
の祭司の
宿禰
(
すくね
)
と、香取を愛する
兵部
(
ひょうぶ
)
の宿禰の二人であった。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
安芸と周防は外部から、甲斐は
兵部
(
ひょうぶ
)
宗勝のふところへはいって、相互に連絡を保ちながら、酒井老中と兵部による陰謀の触手を断ち、伊達宗家の安泰を護る、という手筈であったことを述べた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
(しまッた。なぜ俺は、
兵部
(
ひょうぶ
)
の手に——)
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「三日まえに
兵部
(
ひょうぶ
)
さまがみえたんです」
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“兵部”の解説
兵部(へいぶ、満洲語:coohai jurgan)は、中国中世から近世の役所で、六部の一。国防を担当し、長官を尚書(兵部尚書)、次官を侍郎(兵部侍郎)という。尚書は正三品で1名、侍郎は2名。
朝鮮、ベトナムでも同名の官庁があったほか、日本の律令でも兵部省が設けられた。
(出典:Wikipedia)
兵
常用漢字
小4
部首:⼋
7画
部
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
“兵部”で始まる語句
兵部卿
兵部大輔
兵部少輔
兵部尚書
兵部少輔宗勝
兵部省
兵部宗勝
兵部丞
兵部侍郎
兵部大丞