トップ
>
兵衛
>
ひょうえ
ふりがな文庫
“
兵衛
(
ひょうえ
)” の例文
旧字:
兵衞
甚太夫
(
じんだゆう
)
主従は宿を変えて、さらに
兵衛
(
ひょうえ
)
をつけ狙った。が、その
後
(
ご
)
四五日すると、甚太夫は突然真夜中から、烈しい
吐瀉
(
としゃ
)
を催し出した。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「さては、成田
兵衛
(
ひょうえ
)
の小せがれだな」介は、もう許せないというように、太刀の
柄
(
つか
)
をにぎって、笑い声のした
萱
(
かや
)
の波へ躍って行った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奥さまおこよ様のご父君松坂
兵衛
(
ひょうえ
)
様とおっしゃるおかたが、国もと新発田の
溝口
(
みぞぐち
)
藩に、やはりご
祐筆
(
ゆうひつ
)
として長らくお仕えでござりましたゆえ
右門捕物帖:36 子持ちすずり
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
小鳥の好きな
兵衛
(
ひょうえ
)
は明日の朝の
餌
(
え
)
を
摺
(
す
)
るのに片肌ぬいで
干鰕
(
えび
)
をしごいていた。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
親王がた、高官たちも
鷹
(
たか
)
使いのたしなみのある人は、野に出てからの用にきれいな
狩衣
(
かりぎぬ
)
を用意していた。左右の
近衛
(
このえ
)
、左右の
衛門
(
えもん
)
、左右の
兵衛
(
ひょうえ
)
に属した
鷹匠
(
たかじょう
)
たちは大柄な、目だつ
摺衣
(
すりぎぬ
)
を着ていた。
源氏物語:29 行幸
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
四に、岡崎
兵衛
(
ひょうえ
)
。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一行四人は
兵衛
(
ひょうえ
)
の
妹壻
(
いもうとむこ
)
が
浅野家
(
あさのけ
)
の家中にある事を知っていたから、まず
文字
(
もじ
)
が
関
(
せき
)
の
瀬戸
(
せと
)
を渡って、
中国街道
(
ちゅうごくかいどう
)
をはるばると広島の城下まで上って行った。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
兵衛
(
ひょうえ
)
。そのほうの終始変らない忠誠は忘れはおかぬぞ。そのほうなくば、今日の還幸は見ることもできなかったろう。回天の業も夢に終っていたかもしれぬ」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
左右に分けられたのである。梅壺方は左で、
平典侍
(
へいてんじ
)
、侍従の内侍、少将の命婦などで、右方は
大弐
(
だいに
)
の典侍、中将の命婦、
兵衛
(
ひょうえ
)
の命婦などであった。皆世間から有識者として認められている女性である。
源氏物語:17 絵合
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「はアて? ……。千早、金剛では、あの小勢で数万の
寄手
(
よせて
)
をさえ、寄せつけなかった楠木
兵衛
(
ひょうえ
)
ノ
尉
(
じょう
)
が、今日はなんとしたことか。……いつもの正成ともおもわれぬ」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するとそろそろ秋が立つ頃になって、やはり
松平家
(
まつだいらけ
)
の侍に
不伝流
(
ふでんりゅう
)
の指南をしている、
恩地小左衛門
(
おんちこざえもん
)
と云う侍の屋敷に、
兵衛
(
ひょうえ
)
らしい侍のかくまわれている事が明かになった。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
要するに、成田
兵衛
(
ひょうえ
)
という者の家庭は知らないが、家庭の罪に違いない。全盛の世には、思いあがらせて育て、没落する時には、ねじけ者に作ってしまったものだろう。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“
兵衛
(
ひょうえ
)
”なる官職名だけはあるが、それは名だけのものにすぎない。いわば一個の山家侍だ。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旧
(
もと
)
の主人、成田
兵衛
(
ひょうえ
)
さまも、宇治川の戦で、何かまずいことがあってから、御一門のお覚えもよからず、また、御子息の
寿童丸
(
じゅどうまる
)
様は、次の、源氏討伐の
軍
(
いくさ
)
に、元服して初陣したはいいが
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……やれ
兵衛
(
ひょうえ
)
、よく見えたの。思えばまた、よくも再会しえたものよな」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まこと、古今に例もないことです、破格なお沙汰じゃ。ご当家としても、大きな
誉
(
ほま
)
れ、武家としては、
冥加
(
みょうが
)
この上もないお仕合わせではあるまいか。……
兵衛
(
ひょうえ
)
(正成)。ありがたくおうけなされい」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そちだけは、ここを去って、河内の楠木ノ
兵衛
(
ひょうえ
)
に会うて来い」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほかに、
内庭
(
ないてい
)
に、
近衛
(
このえ
)
。外門に、
兵衛
(
ひょうえ
)
の各兵部があった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこへたった今、探題の郎党
小串
(
おぐし
)
兵衛
(
ひょうえ
)
ノ
尉
(
じょう
)
が来て
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おう、
兵衛
(
ひょうえ
)
ノ
尉
(
じょう
)
か」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
兵衛
(
ひょうえ
)
ノ
尉
(
じょう
)
」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“兵衛”の意味
《名詞》
兵衛府の四等官以外の武官で、内裏外側の諸門の警備や行幸の警護などを任務とした。
兵衛府の略。
(出典:Wiktionary)
“兵衛”の解説
兵衛(ひょうえ)は東京都八王子市の地名。現行行政町名で兵衛一丁目と兵衛二丁目が設置されている。住居表示実施済み区域。郵便番号は192-0918(八王子南郵便局管区)。
(出典:Wikipedia)
兵
常用漢字
小4
部首:⼋
7画
衛
常用漢字
小5
部首:⾏
16画
“兵衛”で始まる語句
兵衛佐
兵衛尉
兵衛督
兵衛佐頼朝
兵衛所
兵衛王
兵衛有義
兵衛権佐
兵衛尉宗俊
兵衛尉義勝