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依
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よら
聞て大きに
悦び是迄何事に
依ず御
運強き吉兵衞樣の
商賣初といひ天神丸の
新艘卸し
傍々以て
御商賣は
御利運に疑ひなしお
目出度/\と
祝ひつゝ吉兵衞を
ば
寅刻に立て千住大橋迄は未だ
暗き中に來れども春の夜の明
易く
掃部宿に
掛る時は早白々と
明け渡り
稍人面も見ゆる頃思ひも
依ぬ
後ろより吾助
待と聲を掛られ驚きながら見返る處を
段右衞門に申
聞よと有ければお文は
發と
平伏なし
頓て段右衞門に向ひ
貴殿は
夫三五郎とは
兄弟同樣にして何事に
依ず善惡共に相談相手なれば
其方の惡事も
隱して
遣何かにつけ夫は心配して居る程のことなるに
如何なる
遺恨が有て
無情くも夫を