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仲之町
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なかのちょう
ふりがな文庫
“
仲之町
(
なかのちょう
)” の例文
万吉さんにも、一度話したことがあるけれど、お
母
(
っか
)
さんはお才といって、
仲之町
(
なかのちょう
)
では売れた
芸妓
(
げいしゃ
)
、たいそうきれいな
女
(
ひと
)
でした——。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
市
(
いち
)
ヶ
谷
(
や
)
谷町
(
たにまち
)
から
仲之町
(
なかのちょう
)
へ
上
(
のぼ
)
る間道に古びた石段の坂がある。
念仏坂
(
ねんぶつざか
)
という。
麻布飯倉
(
あざぶいいくら
)
のほとりにも同じような石段の坂が立っている。
雁木坂
(
がんぎざか
)
と呼ぶ。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「まあ待て、
先方
(
さき
)
が
七歳
(
ななつ
)
の時から仏蘭西で育ったんなら、手前どものは
六歳
(
むッつ
)
の
年紀
(
とし
)
から
仲之町
(
なかのちょう
)
で育ったんです、もっとも
唯今
(
ただいま
)
は
数寄屋町
(
すきやちょう
)
に
居
(
お
)
りますがね。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その母は、お
才
(
さい
)
といって、やはり根は
廓者
(
さともの
)
であったけれど、いわゆる
仲之町
(
なかのちょう
)
の江戸前芸者で、
名妓
(
めいぎ
)
といわれた
女
(
ひと
)
であったそうな。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
徘徊
(
はいかい
)
する
引四時過
(
ひけよつすぎ
)
の寂しさか(『絵本江戸土産』巻六)然らずば
仲之町
(
なかのちょう
)
の
木戸口
(
きどぐち
)
はあたかも山間の
関所
(
せきしょ
)
の如く見ゆる早朝の光景(江戸百景の
中
(
うち
)
廓中
東雲
(
しののめ
)
)
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
以前、
仲之町
(
なかのちょう
)
の
声妓
(
うれっこ
)
で、お若と云った
媚
(
なまめ
)
かしい中年増が、新川の酒問屋に旦那が出来たため色を売るのは
酷
(
きつ
)
い法度の、その頃の
廓
(
くるわ
)
には居られない義理になって場所を替えた
檜物町
(
ひものちょう
)
。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
四季絶間なき
日暮里
(
にっぽり
)
の火の光りもあれが人を焼く
烟
(
けぶり
)
かとうら悲しく、茶屋が裏ゆく土手下の細道に落ちかかるやうな三味の音を仰いで聞けば、
仲之町
(
なかのちょう
)
芸者が
冴
(
さ
)
えたる腕に
里の今昔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
吉原の小浜屋(引手茶屋)が、焼出されたあと、
仲之町
(
なかのちょう
)
をよして、
浜町
(
はまちょう
)
で鳥料理を
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さ、だからなおのこと、お
前
(
めえ
)
が世阿弥様の娘だということが分る。というなア、最前きいた話にも、また、この手紙の様子をみても、お前の死んだお
母
(
っか
)
さんは、
仲之町
(
なかのちょう
)
の江戸
芸妓
(
げいしゃ
)
だろう……。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふとしたことから、こうして
囲
(
かこ
)
って置くお
妾
(
めかけ
)
の身の上や、
馴初
(
なれそ
)
めのむかしを繰返して考える。お妾は無論芸者であった。
仲之町
(
なかのちょう
)
で
一時
(
いちじ
)
は
鳴
(
なら
)
した腕。芸には達者な代り、全くの
無筆
(
むひつ
)
である。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
仲
常用漢字
小4
部首:⼈
6画
之
漢検準1級
部首:⼃
4画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“仲之町”で始まる語句
仲之町藝者