他出たしゆつ)” の例文
あげ私し儀日頃より右平兵衞とは兄弟同樣に仕つる者に候へば然樣さやうの儀は毛頭もうとうおぼえ御座なくことに其節は私し事他出たしゆついたし八九日外に逗留とうりう仕つりをり歸宅きたく致せしをり其事柄を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へびしばら凝然ぢつとしてきはめておもむろに棺臺くわんだいしたかくれた。卯平うへいかほ黄昏たそがれひかりあをかつた。かれはそれから他出たしゆつすることもまれになつた。恢復くわいふくしかけた病後びやうご疲勞ひらうよるねばるやうなあせ分泌ぶんぴさせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
きはめて引居ひきすゑられたる其折柄をりから越前守殿一通り忠兵衞が妻のお富へ尋ねの有りしうへ相方さうはうの申立かた相違さうゐに依て對決申渡す長庵も毛頭もうとう他出たしゆつは致さぬとのおもむきなり忠兵衞に於ては胡亂なる儀申立ては相濟あひすまんぞ心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
幸手宿さつてじゆく富右衞門商用しやうように付六月廿七日晝八ツ時ごろ私し方へ參り一宿しゆくつかまつり候處商用掛合かけあひ不相分あひわからずなほ又廿八日も逗留とうりう仕つり候廿七日より晝夜ちうや他出たしゆつ不仕私し方に逗留とうりう仕居り廿九日巳刻過よつどきすぎ出立しゆつたつ致し候此段相違さうゐ無御座候依て御受書うけしよ如斯御座候以上
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)