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二心
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ふたごころ
ふりがな文庫
“
二心
(
ふたごころ
)” の例文
正体が知れてからも、出遊の地に
二心
(
ふたごころ
)
を持って、山霊を
蔑
(
ないがしろ
)
にした罪を、
慇懃
(
いんぎん
)
にこの神聖なる古戦場に
対
(
むか
)
って、人知れず
慚謝
(
ざんしゃ
)
したのであるる。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「この
期
(
ご
)
に、何の
二心
(
ふたごころ
)
を抱きましょうや。大事な境目の守護を仰せつけられ、死すとも誉れと覚悟してあるのみにござります」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
愛せらるべき、わが資格に、
帰依
(
きえ
)
の
頭
(
こうべ
)
を下げながら、
二心
(
ふたごころ
)
の背を軽薄の
街
(
ちまた
)
に向けて、何の
社
(
やしろ
)
の鈴を鳴らす。
牛頭
(
ごず
)
、
馬骨
(
ばこつ
)
、祭るは人の勝手である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は君唯一人を思ふ、それだのに君はさうではなく同時に二人を思つてゐるやうだ、それは
二心
(
ふたごころ
)
と云つて賢いのであらう、丁度天に日と月とがあるやうなものだ。
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
しばしば会っているに丙は自分に対し別に悪意を
懐
(
いだ
)
かぬようだが、それでかれこれ自分を非難するのは
合点
(
がてん
)
がゆかぬと思うと同時に、して見ると丙は余程、
二心
(
ふたごころ
)
あるもので
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
むかしから芸術の神様はやきもち焼で、
二心
(
ふたごころ
)
を持つたものは屹度
祟
(
たゝ
)
られると言ひ伝へてゐる。だが、世の中には、芸術家を
誑
(
たぶら
)
かさうと、
態々
(
わざ/\
)
係蹄
(
わな
)
をこしらへて待つてゐるのも少くない。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
カピ妻 と
言
(
い
)
ふのも、あの
二心
(
ふたごころ
)
の
下手人
(
げしゅにん
)
めが
生存
(
いきながら
)
へてをるからぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「もとより
二心
(
ふたごころ
)
はない。たとえ御追放はうけても、殿の
御折檻
(
ごせっかん
)
、この犬千代を真実、人間にして下さろう
思
(
おぼ
)
し
召
(
めし
)
と思えばむしろありがとうて」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夫に
二心
(
ふたごころ
)
なきを神の道との
教
(
おしえ
)
は古るし。神の道に従うの心易きも知らずといわじ。心易きを自ら捨てて、捨てたる後の苦しみを
嬉
(
うれ
)
しと見しも君がためなり。
春風
(
しゅんぷう
)
に心なく、花
自
(
おのずか
)
ら開く。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
親元に、
確
(
しか
)
と、本位田家にもらいうけた嫁御、この後どんな事情になろうと、それに、
二心
(
ふたごころ
)
はあるまいの
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうした母を持ち、母の
訓
(
おし
)
えを
護符
(
ごふ
)
とする子が、なんで、主君のお
不為
(
ふため
)
を陣中で策しましょうや。……たとえ上将に対し、異議論争を云いたてましょうとも、胸に
二心
(
ふたごころ
)
はありません」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わかったか、それがしに
二心
(
ふたごころ
)
のないことが」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“二心”の意味
《名詞》
背く心。ふたごころ。
疑う心。疑心。
(出典:Wiktionary)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“二”で始まる語句
二人
二
二十歳
二十
二月
二十日
二日
二重
二個
二間