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世上
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せじょう
ふりがな文庫
“
世上
(
せじょう
)” の例文
世上
(
せじょう
)
の有力者を一人残らず網羅することになって、とてもできない相談だから、残念ながらこの辺でやめるが、とにかくこの旅人は
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
僕自身のわずかの経験においてもそういうことが多い。しかしてまた
世上
(
せじょう
)
聖人君子が少なき以上、同じ経験を
履
(
ふ
)
めるものが多いであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「しかし、あれを見ても、もう春は過ぎ夏も近いに。——以来、この城に、魚の跳ねる音しかせぬは、
世上
(
せじょう
)
の
成行
(
なりゆ
)
きは如何いたしたものか」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
センチメンタルな気風はセンチと呼んで
唾棄
(
だき
)
軽蔑
(
けいべつ
)
されるようになったが、
世上
(
せじょう
)
一般にロマンチックな気持ちには
随分
(
ずいぶん
)
憧
(
あこが
)
れを持ち、この傾向は
追々
(
おいおい
)
強くなりそうである。
時代色:――歪んだポーズ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
では、彼はそうして、あらゆる
世上
(
せじょう
)
のことを放擲して、一体何を夢見ていたかと云いますと、それは、彼自身の理想郷、
無可有郷
(
むかゆうきょう
)
のこまごました設計についてでありました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
盗んで、太い奴らでございます。後のため、
世上
(
せじょう
)
への示し、箱の仕掛けをよく御覧下さいまし
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「望めと言うなら、言ってみよう。願いをあげて退役するからには、ついでのことに、
溜間詰
(
たまりのまづめ
)
を仰せつけられたら、家の面目、
世上
(
せじょう
)
の聞え、いかばかりか晴れがましくあろう」
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
うす/\
世上
(
せじょう
)
のとりさたをおきゝこみになりましたか、またはむしがしらせたと申しますものか、いつからともなくけはいをおさとりあそばしてきっと御しあんなされたらしゅう
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
然
(
しか
)
りといえども彼はこれら資格の外に、なお特別の本色を有す、曰く、
不穏
(
ふおん
)
の精神これなり。パスカルいえるあり、「もし人安んじて一室に静坐するを得ば、
世上
(
せじょう
)
禍害の大部は
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
らざるべし」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「市之助はおれに隠れろと言う。しかし半九郎にそんなうしろ暗いことは出来ぬ。正直に今ここで切腹する。若松屋のお染の客は人殺しとあすは
世上
(
せじょう
)
に
謳
(
うた
)
われて、お身も肩身が狭かろうが、これも
因果
(
いんが
)
だ。堪忍してくれ」
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
権門
(
けんもん
)
の仕事はあじけない。先生は、そう仰っしゃいますが、
世上
(
せじょう
)
の絵師は、みなあなた様を、
羨望
(
せんぼう
)
の的としております」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次は相変らず
世上
(
せじょう
)
の春を、貧乏くさく眺めているのでしょう。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
などで、ちょっと
端
(
はし
)
からみてもその
階級
(
かいきゅう
)
さまざまで人数ももっとも多いけれど、
射術
(
しゃじゅつ
)
、
馬術
(
ばじゅつ
)
の方になると、およそ
世上
(
せじょう
)
に
定評
(
ていひょう
)
のある一
流
(
りゅう
)
の人やその
門下
(
もんか
)
の名が多い。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一方を
掃
(
はら
)
えば、またべつな一面に躍って出るのだ。
世上
(
せじょう
)
でよく
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“世上”の意味
《名詞・形容動詞》
世上(せじょう)
世の中。世間。
(出典:Wiktionary)
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“世”で始まる語句
世
世界
世間
世話
世帯
世人
世辞
世嗣
世故
世子