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ほんらい
本来の
好心、
可加減な
慈悲ぢやとか、
情ぢやとかいふ
名につけて、一
層山へ
帰りたかんべい、はて
措かつしやい。
本来、
蛾次郎は泣いても
吠えてもここでその首を、
侠党の
士にもらわれなければならないのであるが、
独楽の
由来の話から、いくぶんその
情を
酌量されて
本來なら
其の
席で、
工學士が
話した
或種の
講述を、こゝに
筆記でもした
方が、
讀まるゝ
方々の
利益なのであらうけれども、それは
殊更に
御海容を
願ふとして
置く。
私たちは、
蝙蝠傘を、
階段に
預けて、——
如何に
梅雨時とはいへ……
本來は
小舟でぬれても、
雨のなゝめな
繪に
成るべき
土地柄に
對して、かう
番ごと、
繻子張を
持出したのでは