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ほふてい
暫くの
間全く
法廷は
上を
下への
大騷ぎでした。
福鼠を
逐ひ
出して
了ひ、
皆なが
再び
落着いた
時迄に、
料理人は
行方知れずなりました。
帽子屋は、
福鼠と
手に
手を
取つて、
其の
後から
續いて
法廷に
入つて
來た三
月兎を
見て、『三
月の十四
日だつたと
思ひます』と
云ひました。
陪審人の
一つが
鉛筆を
軋らせました。
立つことを
許されないにも
拘らず
愛ちやんは、
法廷を
廻つて
其の
背後へ
行き、
隙を
狙つて
手早くそれを
取り
去りました。