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ねんぜん
買つて
行つて
遣らうかといふ
氣が
一寸起るや
否や、そりや五六
年前の
事だと
云ふ
考が
後から
出て
來て、
折角心持の
好い
思ひ
付をすぐ
揉み
消して
仕舞つた。
七ヶ
年前の事が
顕われては
遁れ
難き
我身の上ゆえ、
寧そ荒々しく云って帰した方が
宜しかろうと思いまして
此時余は一
種言ふ
可らざるの
凄氣に
打たれたのである。
此所は
是、千
數百
年前の
人を
葬つた
墳墓である。
其内部に
余は
生きながら
入つて
立つのである。
白骨生けるにあらぬか。