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つれなし
苔のしたにて
聞かば
石もゆるぐべし、
井戸がはに
手を
掛て
水をのぞきし
事三四
度に
及びしが、つく/″\
思へば
無情とても
父樣は
眞實のなるに、
我れはかなく
成りて
宜からぬ
名を
人の
耳に
傳へれば
そこねもして
愛想づかしの
種にもならば
云はぬに
増る
愁らさぞかし
君さまこそ
無情とも
思ふ
心に二
ツは
無し
不孝か
知らねど
父樣母さま
何と
仰せらるゝとも
他處ほかの
誰れ
良人に
持べき
八重は
一生良人は
持たずと
云ふものから
我が
身とは
自ら
異りて
關係はることなく
心安かるべし
浦山しやと
浦山るゝ
我を