“つれな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無情76.5%
難面8.8%
情無5.9%
強面2.9%
無面目2.9%
薄情2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此春より來慣れたる道なればにや、思はぬ方に迷ひ來しものかなと、無情つれなかりし人に通ひたる昔忍ばれて、築垣ついがきもとに我知らずたゝずみける。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
我に難面つれなきも御邊に義理を立つる爲と、心にねたましく思ひ、彼の老女を傳手つてに御邊が事、色々惡樣に言ひなせし事、いかに戀路に迷ひし人の常とは言へ、今更我れながら心の程の怪しまるゝばかり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
敷台までも下りず突立ちながら、用事なら庫裡の方へ廻れ、と情無つれなく云ひ捨てゝ障子ぴつしやり、後は何方どこやらの樹頭に啼くひよの声ばかりして音もなく響きもなし。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
妾は定まるおっとあれば、更に承引うけひく色もなく、常に強面つれなき返辞もて、かへつてかれたしなめしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
わがさし伸ばす手に、童の接吻せんとするを遮りつゝ、われ、無面目つれなくも忘られしよとおもへるならん、忘れたるにはあらずとことわりつ。童。
他郷よそに出て失敗したのはあながちかれの罪ばかりでない、実にまた他郷の人の薄情つれなきにもよるのである、さればもしこのような親切な故郷の人々の間にいて、事を企てなば
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)