“しんたん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
深潭23.4%
薪炭23.4%
震旦19.1%
心胆17.0%
申耽6.4%
心鍛2.1%
深湍2.1%
神丹2.1%
神潭2.1%
薪胆2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その本流と付知つけち川との合流点を右折して、その支流一名みどり川を遡航そこうするふなべりに、早くも照り映ったのはじつにその深潭しんたん藍碧らんぺきであった。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
外国に行く四年前まではこの家は地震で曲ったままの古家で薪炭しんたんあきなっていた。薪炭商から瓦斯の道具を売る店へ、文化進展の当然の過程だ。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
内供は、震旦しんたんの話のついで蜀漢しょくかん劉玄徳りゅうげんとくの耳が長かったと云う事を聞いた時に、それが鼻だったら、どのくらい自分は心細くなくなるだろうと思った。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
だますに事を欠いて、涙をもって男の情をほだし、義をかりて武士の心胆しんたんをあざむき去った滝川三郎兵衛を討ってその首を見ることである。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はやく開けろ」と、呼ばわると、おうと答えて、門扉を押し開き、どっと突出して来たのは、申耽しんたん、申儀の二軍だった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その前後には、多感なるばかりでなく、多情の面も性格に見られたが、翻然ほんぜん、禅に入って心鍛しんたんをこころざしてから一変した傾きがある。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、嵐弦らんげんたき深湍しんたんに、白い水のおどりあがったのが見えた。そして、しばらくはえぬ泡沫ほうまつの上へ、落葉樹らくようじゅの黄色い葉や楢のがバラバラとってやまなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は悲鳴のうちにいちど気を失って徐々に力をいた。男の唇はやっと彼女に与えられ、神丹しんたんを含ますように、彼女の精気を気永にたすけた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お前の今宵の艶やかさは——その眉は、星月夜の空に飛んだ流れ星のやうな風韻を含んでゐる。その眉の下にうつとりと見開いてゐる瞳は神潭しんたんつゆを宿して、虹の影が瞬いてゐる。」
夜の奇蹟 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
たとえば、その家はこぼたれ、その樹はられ、その海は干され、その山は崩され、その民はほふられ、そのじょかんせられた亡国の公主にして、復讎の企図をいだいて、薪胆しんたんの苦を嘗め尽したのが、はりも忘れ
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)