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ぎやうしやう
脊中へ
荷を
一杯負つて、
二十日なり
三十日なり、
其所等中回つて
歩いて、
略賣り
盡してしまふと
山へ
歸つて
來て
坐禪をする。それから
少時して
食ふものがなくなると、
又筆墨を
脊に
載せて
行商に
出る。
或夏の近づいた月夜、
武さんは荷物を
背負つたまま、ぶらぶら
行商から帰つて来た。すると家の近くへ来た時、何か
柔かいものを踏みつぶした。
處で、一
錢たりとも
茶代を
置いてなんぞ、
憩む
餘裕の
無かつた
私ですが、……
然うやつて
賣藥の
行商に
歩行きます
時分は、
世に
無い
兩親へせめてもの
供養のため、と
思つて