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ぎさう
少し離れた石垣の下で怪我死をしたやうに
僞裝されたのでした。
電燈の
光は
白晝を
欺かんばかりなる
市街に
上陸して、
竊かに
櫻木海軍大佐より
委任を
受けたる、
電光艇用の
秘密藥品を
買整へ、十二の
樽に
密封して、
今は
特更に
船を
艤裝する
必要もなく
氣球がいよ/\
大陸の
都邑に
降下して
後、
秘密藥品の
買收から、
竊かに
船に
艤裝して、
橄欖島へ
赴く
迄の
間の
駈引は
尋常な
事で
無い、
私は
早くも
櫻木大佐の
心を
讀み
得たので、
自ら
進み
出た。