-
トップ
>
-
きふれう
伸一先生は
給料を
月十八
圓しか
受取りません、それで
老母と
妻子、一
家六
人の
家族を
養ふて
居るのです。
家産といふは
家屋敷ばかり、これを
池上權藏の
資産と
比べて
見ると
百分一にも
當らないのです。
然し
俺は
有害な
事に
務めてると
云ふものだ、
自分の
欺いてゐる
人間から
給料を
貪つてゐる、
不正直だ、
然れども
俺其者は
至つて
微々たるもので、
社會の
必然の
惡の一
分子に
過ぎぬ、
總て
町や