“きえい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
消入33.3%
鬼影22.2%
旗営11.1%
歸營11.1%
機影11.1%
綦衛11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と立派に言い放ち、お柳はたちまふるいつくように、岸破がばと男の膝にほおをつけたが、消入きえいりそうな風采とりなり
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蹌踉そうろうと、彼は、鬼影きえいを曳いて歩きだした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝てばどっと降兵を加えて強大となり、負くれば一夜にその旗営きえいせ細ってしまうのが、今の合戦の特徴だった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七千人の旗営きえいが一瞬にどうかしてしまったとしか見えない。——どろどろと熔岩ようがんのような黒いものが、山の中腹から逃げまろび重なりあって、はるかふもとまで押し流れて行く。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歸營きえいしてから三日目かめあさだつた。中隊教練ちうたいけうれんんで一先ひとま解散かいさんすると、分隊長ぶんたいちやう高岡軍曹たかをかぐんそう我々われわれ銃器庫裏ぢうきこうらさくら樹蔭こかげれてつて、「やすめつ‥‥」と、命令めいれいした。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
はら出張演習しゆつちやうえんしふは二週間程しうかんほどぎた。我我われわれ日日にちにちはげしい演習えんしふつかれきつた。そして、六ぐわつ下旬げじゆんにまたT居住地きよぢうち歸營きえいした。中根なかねはなしはもうすつかりわすれられてゐた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
翌朝の新聞紙に『大演習の犠牲。青軍の戦闘機二機、空中衝突して太平洋上に墜つ。乗組の竹花、熊内両中尉の死体も機影きえいも共に発見せられず。原因は密雲みつうんのためか……』
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二月ふたつきの後、たまたま家に帰って妻といさかいをした紀昌がこれをおどそうとて烏号うごうの弓に綦衛きえいの矢をつがえきりりと引絞ひきしぼって妻の目を射た。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)