鬼影きえい)” の例文
そして、抱えていた、血と濡れ髪とにまみれた冷たいものを、いよいよかたく抱え直したと思うと、ぱッと、まがきはぎむらなど、おどり越えて、鬼影きえいのごとく、どこかへ、走り去ってしまった。
蹌踉そうろうと、彼は、鬼影きえいを曳いて歩きだした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鬼影きえい