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おきあひ
かういふ
津浪は
沖合に
於ては
概して
數尺の
高さしか
持たないから、もしそれが
其まゝの
高さを
以て
海岸に
押寄せたならば、
大抵無難なるべきはずである。
たとひ
海岸線が
直線に
近くとも、
遠淺だけの
關係で、
波の
高さが
數倍の
程度に
増すこともあるから、もし
沖合に
於ける
高さが
數尺のものであつたならば
即ち
海水が
段々狹くなる
港灣に
流れ
込むことになり、
隨つて
沖合では
高さ
僅に
一二尺にすぎなかつた
津浪も、
港灣の
奧に
於ては
數十尺の
高さとなるのである。
配り
海手は深川新地の鼻より品川の沖迄御船手にて
取切備船は
沖間へ出し間々は
鯨船にて
取固め
然も嚴重に構へたり扨又平石次右衞門は
桐棒の駕籠に打乘若黨長柄草履取を
召倶し數寄屋橋の御役宅を