“えんし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
燕枝22.2%
艶姿16.7%
袁氏11.1%
宛子5.6%
偃師5.6%
円枝5.6%
燕子5.6%
燕師5.6%
艶史5.6%
艶紫5.6%
鉛紫5.6%
閼氏5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小勝が落語協会の巨頭で、今の左楽、先代燕枝えんし、華柳、先々代柳枝、先代助六、先代今輔、先々代正蔵、先代圓生、当代文治がむつみ会に参加していた。
わが寄席青春録 (新字新仮名) / 正岡容(著)
鏡の間の壁に嵌めた無数の鏡は、女の艶姿えんし嬌態けうたいを千万倍にして映じ出だした。庭園には女の軽々とした歩みの反響がし始めた。己が晩年にち得た、これ程の楽しい月日は、総て是れ御身の賜ものだ。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
間もなく神が十娘を袁氏えんしへめあわすということが聞えてきたので、崑はがっかりした。そこで他の家から嫁を迎えようと思って、数軒の家の女を見たが十娘におっつく者はなかった。
青蛙神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と、お互い、なぐさめ合ってはいたものの、泊中をつつむ悲愁の気、宛子えんし城の一帯をおおう敗色の深刻さ、それだけは、どうにもならない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一時、したたかに水を呑んで、昏々こんこんの状におちていた凌振だったが、はっと気づくと、ここは宛子えんし城中の一閣、賊寨の聚議庁ほんまる、たしかに、虜囚とらわれとなった自分に相違ない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌日張は華陰を出発して、十日ばかりの後に偃師えんしという処まで往った。そして、旅館に着いて休息していると、こもんを開けて入ってきた者があった。それは黄いろな服を着たかの脚夫であった。
賭博の負債 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いま高座に出ているのは、若いが達者な、はなし家の浮世亭円枝えんしである。刷毛目の立った微塵縞みじんじまの膝に両手を重ねて
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
柳さくらをこきまぜて、都は花のやよい空、錦繍きんしゅうき、らんまん馥郁ふくいくとして莽蒼ぼうそう四野も香国こうこく芳塘ほうとうならずというところなし。燕子えんし風にひるがえり蜂蝶ほうちょう花にねんす。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
高巍こうぎの説は、敦厚とんこうよろこしと雖も、時既におそく、卓敬たくけいの言は、明徹用いるに足ると雖も、勢かえし難く、朝旨の酷責すると、燕師えんしの暴起すると、実にたがいあたわざるものありしなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
よく読み給ふべしそれも韓柳かんりゅうの文のみにて足れりといふにあらず艶史えんし小説のたぐい殊に必要なり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ヴアイオレツトのかほり嬌紅けうこう艶紫えんしの衣の色、指環ゆびわ腕環うでわの金玉の光、美人(と云はむはいつはりなるべし、余は不幸にして唯一人も美人をば夜会の席に見る能はざりければ)
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
活々いき/\とした力のある山塊の輪郭と、深い鉛紫えんしの色を帯びた谷々の影とは、一層その眺望に崇高な趣を添へる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼と親しかった狐鹿姑ころくこ単于ぜんうは死に、その子壺衍鞮こえんてい単于の代となっていたが、その即位にからんで左賢王さけんおう右谷蠡王うろくりおうの内紛があり、閼氏えんし衛律えいりつらと対抗して李陵も心ならずも
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)