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粧
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よそほ
ふりがな文庫
“
粧
(
よそほ
)” の例文
粧
(
よそほ
)
ひ諸司代屋敷へ
赴
(
おも
)
むきしかば牧野丹波守殿
對面
(
たいめん
)
有て身分より御
證據
(
しようこ
)
の品の拜見もありしに全く相違なしと
見屆
(
みとゞ
)
け京都よりも又此段を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
勘次
(
かんじ
)
はおつたの
姿
(
すがた
)
をちらりと
垣根
(
かきね
)
の
入口
(
いりぐち
)
に
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
不快
(
ふくわい
)
な
目
(
め
)
を
蹙
(
しが
)
めて
知
(
し
)
らぬ
容子
(
ようす
)
を
粧
(
よそほ
)
ひながら
只管
(
ひたすら
)
蕎麥
(
そば
)
の
幹
(
から
)
に
力
(
ちから
)
を
注
(
そゝ
)
いだのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
去
(
さ
)
りながら
外面
(
おもて
)
に
窮乏
(
きうばふ
)
を
粧
(
よそほ
)
ひ、
嚢中
(
なうちう
)
却
(
かへつ
)
て
温
(
あたゝか
)
なる
連中
(
れんぢう
)
には、
頭
(
あたま
)
から
此
(
この
)
一藝
(
いちげい
)
を
演
(
えん
)
じて、
其家
(
そこ
)
の
女房
(
にようばう
)
娘等
(
むすめら
)
が
色
(
いろ
)
を
變
(
へん
)
ずるにあらざれば、
決
(
けつ
)
して
止
(
や
)
むることなし。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
打ち
寛
(
くつろ
)
いだ丹之丞の前には、久し振りの愛妾お勝が精一杯の
粧
(
よそほ
)
ひを凝らして、旅の疲れ休めの盃を進めて居ります。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一寸知つた程度の人が、五人ゐはしたが、その中の四人はIの尊敬者であり、一人は、朴直な
粧
(
よそほ
)
ひをした通人で、愚直な私など相手にして呉れるべくもなかつた。
我が生活
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
▼ もっと見る
そこらの野山を色とりどりに晴れやかに
粧
(
よそほ
)
つた春の眺めは、あのがらんとした空洞のやうな空の広みと比べて、どんなにこの仙術修業者の心を後に引き戻したらうか。
春の賦
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
糸織の
衿懸
(
えりか
)
けたる
小袖
(
こそで
)
に
納戸
(
なんど
)
小紋の縮緬の羽織着て、
七糸
(
しつちん
)
と
黒繻子
(
くろじゆす
)
との昼夜帯して、
華美
(
はで
)
なるシオウルを携へ、髪など
撫付
(
なでつ
)
けしと
覚
(
おぼし
)
く、
面
(
おもて
)
も見違ふやうに軽く
粧
(
よそほ
)
ひて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
然
(
さ
)
ればよなと
思
(
おも
)
ひながら、
殊更
(
ことさら
)
に
知
(
し
)
らず
顏
(
がほ
)
粧
(
よそほ
)
ひつゝ、
主人
(
あるじ
)
は
御婦人
(
ごふじん
)
なるにや、
扨
(
さて
)
は
何某殿
(
なにがしどの
)
の
未亡人
(
びばうじん
)
とか、さらずは
妾
(
おもひもの
)
なんどいふ
人
(
ひと
)
か、
別
(
べつ
)
して
與
(
あた
)
へられたる
邸宅
(
ていたく
)
かと
問
(
と
)
へば
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かくはかなき身と生れても、
流石
(
さすが
)
に
粧
(
よそほ
)
ひ飾る心をば持ちたるにや、髮平かに結ひ上げて、一束の
菫花
(
すみれ
)
を揷せるが、額の上に垂れ掛れり。われその
容
(
かたち
)
を窺ふに、
羞慙
(
しうざん
)
あり、
慧巧
(
けいかう
)
あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
己はレオネルロが只此土地を離れようとしてゐて、口実を設けるのだと悟つたが、それを色にあらはさずに、其表面の理由を信ずるやうに
粧
(
よそほ
)
つた。己は実にヱネチアの生活が厭になつてゐた。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
巡査
(
じゆんさ
)
や、
憲兵
(
けんぺい
)
に
遇
(
あ
)
ひでもすると
故
(
わざ
)
と
平氣
(
へいき
)
を
粧
(
よそほ
)
ふとして、
微笑
(
びせう
)
して
見
(
み
)
たり、
口笛
(
くちぶえ
)
を
吹
(
ふ
)
いて
見
(
み
)
たりする。
如何
(
いか
)
なる
晩
(
ばん
)
でも
彼
(
かれ
)
は
拘引
(
こういん
)
されるのを
待
(
ま
)
ち
構
(
かま
)
へてゐぬ
時
(
とき
)
とては
無
(
な
)
い。
其
(
そ
)
れが
爲
(
ため
)
に
終夜
(
よつぴて
)
眠
(
ねむ
)
られぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夜の明方に、
白粉
(
おしろい
)
で
粧
(
よそほ
)
つた、綺麗な首が接ぎ目からころりと落ちた。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
粧
(
よそほ
)
ひ
飾
(
かざ
)
りたるわれら
三人
(
さんにん
)
……
カンタタ
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
一
度
(
ど
)
に
女房
(
にようばう
)
を
見
(
み
)
た
彼等
(
かれら
)
には
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
まで
私語
(
さゞめ
)
き
合
(
あ
)
うた
俤
(
おもかげ
)
がちつともなかつた。
彼等
(
かれら
)
は
慌
(
あわ
)
てゝ
寶引絲
(
はうびきいと
)
も
懷
(
ふところ
)
へ
隱
(
かく
)
して
知
(
し
)
らぬ
容子
(
ようす
)
を
粧
(
よそほ
)
うて
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
側
(
そば
)
へ
集
(
あつま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
立出で
行列
(
ぎやうれつ
)
以前よりも
華美
(
くわび
)
に
粧
(
よそほ
)
ひて藤井左京赤川
大膳
(
だいぜん
)
供頭
(
ともがしら
)
となりて來る程に
途中
(
とちう
)
の横町々々は大戸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
込合へる人々の
面
(
おもて
)
は皆赤うなりて、
白粉
(
おしろい
)
の
薄剥
(
うすは
)
げたるあり、髪の
解
(
ほつ
)
れたるあり、
衣
(
きぬ
)
の
乱次
(
しどな
)
く
着頽
(
きくづ
)
れたるあり。女は
粧
(
よそほ
)
ひ飾りたれば、取乱したるが
特
(
こと
)
に著るく見ゆるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
恥辱
(
はぢ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とに
弱
(
よわ
)
きものの
聲
(
こゑ
)
をも
得立
(
えた
)
てず、
傷
(
いた
)
み、
悲
(
かなし
)
み、
泣
(
な
)
ける
容
(
かたち
)
、
粧
(
よそほ
)
はざるに
愁眉
(
しうび
)
、
泣粧
(
きふしやう
)
。
柳腰
(
りうえう
)
鞭
(
むち
)
に
折
(
くじ
)
けては
折要歩
(
せつえうほ
)
を
苦
(
くる
)
しみ、
金釵
(
きんさい
)
地
(
ち
)
に
委
(
ゐ
)
しては
墮馬髻
(
だばきつ
)
を
顯實
(
けんじつ
)
す。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
惜
(
を
)
しい
女
(
をんな
)
に
服粧
(
みなり
)
が
惡
(
わ
)
るいなど
哄然
(
どつ
)
と
笑
(
わる
)
はれる、
思
(
おも
)
へば
綿銘仙
(
めんめいせん
)
の
糸
(
いと
)
の
寄
(
よ
)
りしに
色
(
いろ
)
の
腿
(
さ
)
めたる
紫
(
むらさき
)
めりんすの
幅
(
はゞ
)
狹
(
せま
)
き
帶
(
おび
)
、八
圓
(
ゑん
)
どりの
等外
(
とうぐわい
)
が
妻
(
つま
)
としては
是
(
こ
)
れより
以上
(
いじやう
)
に
粧
(
よそほ
)
はるべきならねども
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
村落
(
むら
)
の
者
(
もの
)
は
段々
(
だん/\
)
に
器量
(
きりやう
)
相當
(
さうたう
)
な
晴衣
(
はれぎ
)
を
着
(
き
)
て
神社
(
じんじや
)
の
前
(
まへ
)
に
聚
(
あつま
)
つた。
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つのは
猶且
(
やつぱり
)
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
で、
疎末
(
そまつ
)
な
手織木綿
(
ておりもめん
)
であつてもメリンスの
帶
(
おび
)
と
前垂
(
まへだれ
)
とが
彼等
(
かれら
)
を十
分
(
ぶん
)
に
粧
(
よそほ
)
うて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
司馬相如
(
しばさうじよ
)
が
妻
(
つま
)
、
卓文君
(
たくぶんくん
)
は、
眉
(
まゆ
)
を
畫
(
ゑが
)
きて
翠
(
みどり
)
なること
恰
(
あたか
)
も
遠山
(
とほやま
)
の
霞
(
かす
)
める
如
(
ごと
)
し、
名
(
な
)
づけて
遠山
(
ゑんざん
)
の
眉
(
まゆ
)
と
云
(
い
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
の
武帝
(
ぶてい
)
の
宮人
(
きうじん
)
は
眉
(
まゆ
)
を
調
(
とゝの
)
ふるに
青黛
(
せいたい
)
を
以
(
も
)
つてす、いづれも
粧
(
よそほ
)
ふに
不可
(
ふか
)
とせず。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
粧
(
よそほ
)
ひ道中
滯
(
とゞこほ
)
りなく十一日晝過に京都四條通りの旅館へぞ
着
(
ちやく
)
なせり則ち大坂の如くに入口玄關へは
紫
(
むらさ
)
き
縮緬
(
ちりめん
)
の
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
の幕を
張渡
(
はりわた
)
し門前へは大きなる
表札
(
へうさつ
)
を立置ける
錢屋
(
ぜにや
)
四郎右衞門は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
江戸の
鳥追
(
とりおひ
)
といふは
非人
(
ひにん
)
の
婦女
(
ふぢよ
)
音曲
(
おんきよく
)
するを女太夫とて
木綿
(
もめん
)
の
衣服
(
いふく
)
をうつくしく
着
(
き
)
なし、
顔
(
かほ
)
を
粧
(
よそほ
)
ひ、
編笠
(
あみがさ
)
をかむり、
三弦
(
さみせん
)
に
胡弓
(
こきう
)
などをあはせ、
賀唱
(
めでたきうた
)
をおもしろくうたひ、
門々
(
かど/\
)
に立て銭を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こめつ
可笑
(
をか
)
しく
面白
(
おもしろ
)
く
物
(
もの
)
がたりながら
沈
(
しづ
)
みがちなる
主
(
しゆ
)
の
心根
(
こゝろね
)
いぢらしくも
氣遣
(
きづか
)
はしく
離
(
はな
)
れぬ
守
(
まも
)
りにこれも
一
(
ひと
)
つの
關所
(
せきしよ
)
なり
如何
(
いか
)
にしてか
越
(
こ
)
えらるべき
如何
(
いか
)
にしてか
遁
(
のが
)
るべきお
高
(
たか
)
髮
(
かみ
)
とりあげず
化粧
(
けしやう
)
もせず
粧
(
よそほ
)
ひし
昔
(
むかし
)
の
紅白粉
(
べにおしろい
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
こ
)
の
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
から、
遙
(
はるか
)
に
小石川
(
こいしかは
)
の
高臺
(
たかだい
)
の
傳通院
(
でんづうゐん
)
あたりから、
金剛寺坂上
(
こんがうじざかうへ
)
、
目白
(
めじろ
)
へ
掛
(
か
)
けてまだ
餘
(
あま
)
り
手
(
て
)
の
入
(
はひ
)
らない
樹木
(
じゆもく
)
の
鬱然
(
うつぜん
)
とした
底
(
そこ
)
に
江戸川
(
えどがは
)
の
水氣
(
すゐき
)
を
帶
(
お
)
びて
薄
(
うす
)
く
粧
(
よそほ
)
つたのが
眺
(
なが
)
められる。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
江戸の
鳥追
(
とりおひ
)
といふは
非人
(
ひにん
)
の
婦女
(
ふぢよ
)
音曲
(
おんきよく
)
するを女太夫とて
木綿
(
もめん
)
の
衣服
(
いふく
)
をうつくしく
着
(
き
)
なし、
顔
(
かほ
)
を
粧
(
よそほ
)
ひ、
編笠
(
あみがさ
)
をかむり、
三弦
(
さみせん
)
に
胡弓
(
こきう
)
などをあはせ、
賀唱
(
めでたきうた
)
をおもしろくうたひ、
門々
(
かど/\
)
に立て銭を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お
前
(
まへ
)
さまお
一人
(
ひとり
)
のお
煩
(
わづら
)
ひはお
兩人
(
ふたり
)
のお
惱
(
なや
)
みと
婢女共
(
をんなども
)
に
笑
(
わら
)
はれて
嬉
(
うれ
)
しと
聞
(
き
)
きしが
今更
(
いまさら
)
おもへば
故
(
ことさ
)
らに
言
(
い
)
はせしか
知
(
し
)
れたものならず
此頃
(
このごろ
)
見
(
み
)
しは
錦野
(
にしきの
)
の
玄關
(
げんくわん
)
先
(
さき
)
うつくしく
粧
(
よそほ
)
ふた
身
(
み
)
に
比
(
くら
)
べて
見
(
み
)
て
我
(
わ
)
れより
詞
(
ことば
)
は
掛
(
か
)
けられねど
無言
(
むごん
)
に
行過
(
ゆきす
)
ぎるとは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
女子
(
ぢよし
)
粧
(
よそほ
)
はば
寧
(
むし
)
ろ
恁
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きを
以
(
もつ
)
て
會心
(
くわいしん
)
の
事
(
こと
)
とせん。
美顏術
(
びがんじゆつ
)
に
到
(
いた
)
りては
抑々
(
そも/\
)
末也
(
すゑなり
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
粧
常用漢字
中学
部首:⽶
12画
“粧”を含む語句
化粧
粧飾
扮粧
薄化粧
時勢粧
盛粧
身粧
厚化粧
行粧
朝化粧
假粧
若粧
御化粧
時世粧
濃化粧
御粧
服粧
淡粧
化粧部屋
化粧煉瓦
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