“未亡人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びぼうじん37.5%
びばうじん15.6%
ごけ12.5%
みぼうじん12.5%
おくさん6.3%
ごけさん6.3%
いんきょ3.1%
おくさま3.1%
おふくろ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ただ年齢ばかりじゃないのよ。境遇の変化よ。娘が人の奥さんになるとか、奥さんがまた旦那様だんなさまくなして、未亡人びぼうじんになるとか」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ある未亡人びばうじんなどは日本の物事と云へばなにでも愛着して、同じ仲間の婦人と竹刀しなへを執つて撃剣をしたり経を読んだりなんかするさうだ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
波斯ペルシヤで亭主に死別しにわかれたばかしの、新しい未亡人ごけさんを訪ねると、屹度きつと棚の上に大事さうに瓶が置いてあるのが目につく。
その足で彼女は隣家の伏見屋まで頼みに行って、父の気に入りそうな紙の類を分けてもらうことにした。伏見屋には未亡人みぼうじんのおとみがある。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人のいないところで未亡人おくさんとひそひそ話をしているときなぞ、たまたま私がそばに行ったりすると真っ青になって私をにらみつけたりしたことがありました。
抱茗荷の説 (新字新仮名) / 山本禾太郎(著)
丁度その二本榎に、若い未亡人ごけさんうちがあつて、斯人このひとは真宗に熱心な、教育のある女でしたから、和尚さんも法話はなしを頼まれて行き/\しましたよ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
されば川島未亡人いんきょにも武男にも浅からぬ信任を受けて、今度も未亡人いんきょの命によりてはるばる佐世保に主人の負傷をば見舞いしなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「夏目漱石さんの未亡人おくさまがね、先生の書物から印税がどつさりお入りになるんで、近頃大層贅沢におなり遊ばしたとやらで、それをあんなに言つてくやしがつてらつしやるんですわ。」
存生ぞんじょうのみぎり何かとたよりて来し大抵のやからはおのずから足を遠くし、その上親戚しんせきも少なく、知己とても多からず、未亡人おふくろは人好きのせぬ方なる上に
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)