麦畑むぎばたけ)” の例文
旧字:麥畑
麦畑むぎばたけ牧場ぼくじょうとはおおきなもりかこまれ、そのなかふか水溜みずだまりになっています。まったく、こういう田舎いなか散歩さんぽするのは愉快ゆかいことでした。
工場こうじょうだね。」と、友吉ともきちが、ぎてから、いいました。いつしか、二人ふたり自転車じてんしゃは、青々あおあおとした、麦畑むぎばたけあいだみちはしっています。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、去年きょねんの秋にたねをまいたライ麦畑むぎばたけです。冬じゅう雪の下でも、ずっと緑の色をしていたのでした。
東京で瓦斯を使うようになって、薪の需用が減った結果か、村の雑木山が大分ひらかれて麦畑むぎばたけになった。道側の並木のくぬぎならなぞ伐られ掘られて、短冊形の荒畑あらばたが続々出来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
富士川の瀬を越す舟底の様にゆかおどる。それに樫の直ぐ下まで一面いちめん麦畑むぎばたけである。武蔵野固有の文言通もんごんどおり吹けば飛ぶ軽い土が、それ吹くと云えば直ぐ茶褐色の雲を立てゝ舞い込む。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
家の前は右の樫の一列から直ぐ麦畑むぎばたけになって、家の後は小杉林から三角形の櫟林くぬぎばやしになって居る。地面は石山氏外一人の所有で、家は隣字となりあざの大工の有であった。其大工のめかけとやらが子供と棲んで居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)